「ご確認ください」とクレジットカード会社からのメールに、慌てて指定のフォームに情報を入力したら……いきなり不正利用されてしまった! どうしたらいい?
社会人2年目のAさんのスマホに、突然、いつも利用しているクレジットカード会社から、「あなたのカードが不正利用されている。取引を確認してください」とメールが入りました。 クレジットカードの不正利用が、まさか自分の身に起こるなんて……と、Aさんは慌てて、メールに表示されていたリンク先にアクセスして、指定された情報を入力しました。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
その入力、ちょっと待った! それ、本当に利用している企業からのメール?
Aさんは、指定された手続きどおりに情報を入力して安心していました。すると、その確認をしたクレジットカード会社からSMSが届きました。なんと、「40万円の利用があり、不正利用と思われるので確認してください」というもの。 「え? 確認したばかりなのに!」Aさんは驚きました。 実は、先のメールはフィッシング詐欺だったのです。指定されたとおりにカード情報や住所、氏名、電話番号等の個人情報を入れてしまったために、すぐ使われてしまいました。 フィッシング詐欺とは、実在する企業や公的機関をかたり、偽メールやSMSを送りつけて偽サイトに誘導して、ID、パスワード、クレジットカード番号等の情報を搾取するものです。 「不正利用されています!」「確認しないと利用停止されます」といった“不安”をあおるものや、ポイントを受け取るなど“お得感”で釣るものがあり、慌ててリンク先にアクセスさせます。 また、利用していない人に対しても、心当たりがない場合はリンクから連絡するよう不安をあおって促すものがあります。
狙われているのはクレジットカードだけではない
狙われているのはクレジットカードだけではありません。インターネットバンキングは、情報を盗み取られてしまうと口座のお金を引き出されてしまいます。 図表1
図表1のグラフは、インターネットバンキングに関わる不正送金事犯による被害件数と金額ですが、令和5年は11月末で約80億1000万円という、過去最高の被害額となっています。 ところで、インターネットバンキングの場合、「ワンタイムパスワード」という最後のとりでを入力しなければ送金できません。「ワンタイムパスワード」は限られた時間で有効のため、時間が経過してしまうと使えなくなるからです。 しかし、リアルタイムで行えば、時間内に「ワンタイムパスワード」の情報を入力させることができるので、被害者の口座から送金させることが可能です。