ソフトバンクに1位指名され、チームメートから胴上げされる神戸弘陵の村上（撮影・永田浩）

　◆プロ野球ドラフト会議（24日） 　ソフトバンクが1位指名した兵庫・神戸弘陵高の村上泰斗は、3回目の入札で名前を読み上げられて「ビックリした」。 ■中学までは捕手、村上泰斗はこんな選手【動画あり】 　高校で本格的に投手を始めたこともあり、笑顔の後の涙は「この2年半の思いがよみがえった」。スマホの動画などで日米のトップ投手を研究。独自のアレンジも加え、最速152キロを誇る右腕に成長した。 　投球始動時の左足の上げ方は、膝から下が一度、三塁方向に伸びる動きを見せるロッテ佐々木朗希を思わせる。体重移動の際に体が打者方向に突っ込みすぎないように左足のつま先を立てながら体を推進させるのは、オリックス山岡泰輔にそっくりだ。 　甲子園出場経験はないものの、ソフトバンクは伸びのあるストレートに着目。8月に永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長らが8人で同校を訪問し、持参した測定機器「ラプソード」で球の回転数などを測ると、仰天のデータを連発した。 　測定した日は最速143キロにとどまったが、直球のスピン量は2500回転を超え、スライダーは2600回転台を計測した。いずれもソフトバンクではモイネロに匹敵する数字で、永井部長はその潜在能力を、現ドジャースの「山本由伸2世」と評する。 　「真っすぐは、自分の中でこだわりたいポイント」。目標は阪神の藤川球児新監督の代名詞だった「火の玉ストレート」で、その剛速球が見られる日も遠くなさそうだ。