機体の艤装(ぎそう)を進めつつ約100枚のデカールを貼っていく【達人のプラモ術<F-35B ライトニングII>】
■ステルス性能を左右するRAM塗装
ちなみF-35では、機体素材のカーボン複合材にレーダー波吸収材を混合するという新技術を採用。さらに外部シールドライン制御と呼ばれる工法を使用して、機体各部の繋ぎ目をほとんど無くすと同時に、RAM塗料の厚みで機体の外板の継ぎ目や段差をなくすことでレーダー反射を防いでいるんですね。 しかしRAM塗装は熱や寒さに弱いためメンテナンスが大変だそうです。機体は恒温恒湿の特殊格納庫に別々に保管する必要があり、定期的に再度塗装または補修が必要だそうで、それがまた恐ろしく高額だそう。F-35Bではだいぶ改善されたらしいのですが、RAM塗装の維持費の高騰がアメリカ議会でも取り上げられるくらい問題になっているそうです。模型の塗装はそうした問題はないので、エアブラシでキッチリ仕上げていきましょう。
■脚、各カバー類の取り付け
脚の組み立て、塗装はインストの指示(43ページからの垂直着陸状態:工程105~147)で進めます。 驚いたのは前脚。脚収納部を組む際に脚柱を同時に挟みこんでおくのですが、その時点では折りたためるようになっており、塗装中、作業中の破損を防げるようになっています。そして機体塗装を終わらせた時点で引き出して接着固定するようになっているんですね。前脚の強度と作業中の破損を考えてのパーツ構成は作り手視点のタミヤらしい配慮だと感心させられた部分です。
■機体各部のデカール貼り込み
機体パーツの取り付けが完了したら、デカール貼りに入ります。 まずは機体各部に貼られたコーションマークを貼っていきます。これがグレーの塗装面にグレーの小さなデカールという老眼にはキビシイ作業ですが、頑張って貼っていきます。 コーションマーク(注意書き)は“NO STEP”など小さいサイズが多いのですが、1/48スケールともなるとちゃんと読めます(ルーペで確認)。なので上下などを間違えないように貼っていきましょう。 またサイズが小さいので、ラフに扱うと丸まったり折れ曲がってしまうといったありがちなトラブルが発生します。それを避けるため、デカール専用ピンセットの使用をオススメします。 また小さいので、どうしてもデカール自体の定着力が弱く、貼った後に剥がれてしまうことがあるため、デカールの定着力をサポートするマークフィットとデカールのりも併用します。
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