島根原発2号機、午後1時に発送電開始 13年ぶりに原子力の電気、一般家庭や企業に届く 中国電力
中国電力が23日、島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の発送電を開始し、約13年ぶりに一般家庭や企業に原子力の電気が届けられた。段階的に出力を上げ、27日に定格出力の82万キロワットに到達する見込み。検査などを経て、2025年1月10日の営業運転再開を目指している。 【写真】島根原発2号機、午後1時に発送電開始 13年ぶりに原子力の電気届く
中央制御室で運転員が発電機と送電系統の電圧や周波数を自動で合わせる装置を動かし、午後1時、発送電を始めた。運転員は制御盤を監視し、異常がないかを確かめていた。 27日に定格出力の82万キロワットに到達する予定。運転状態で設備や機器の温度、圧力、流量などのデータから、異常がないかどうかを最終確認する「総合負荷性能検査」に合格すれば、営業運転に移行する。 中電によると、2号機の年間発電量は山陰両県の年間電力需要の約6割に相当するという。標準家庭の電力使用量(月間260キロワット時使用)に換算すると、約175万世帯分をまかなう計算。約200万トンの二酸化炭素(CO2)排出抑制効果があり、通年稼働で400億円程度、24年度で110億円程度の収支改善効果があるとしている。 2号機は7日に原子炉を起動し、12年11カ月ぶりに再稼働した。5日後の12日、水位計が一時的に監視不能な状態になったと発表し、その後、正常な動作の範囲内だったと発表内容を訂正するトラブルがあった。15~21日に設備や機器の点検のため原子炉を一度止める「中間停止」をはさみ、22日午前3時ごろ、再び原子炉を起動させた。
2号機は11年3月に事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型で、再稼働したのは東北電力女川原発2号機(宮城県)に次いで2基目。福島事故後、国内で再稼働した原発は8原発14基となった。 中電の中川賢剛社長は島根2号機が安定供給や電気料金の安定化に不可欠だとした上で「安全確保を第一に緊張感を持って、営業運転再開、安定運転の継続に向けて設備の健全性確認を確実に進める」とのコメントを出した。