見送りを受けて走り出すＡＩデマンドバス＝島根県松江市宍道町宍道、宍道公民館

　島根県松江市の宍道、八雲・忌部両地区で１０月１日から、人工知能（ＡＩ）を活用したデマンドバスの試験運行が始まった。あらかじめルートや時刻を定めない柔軟な運行による利便性向上に期待する。 【写真】ＡＩバス拡大、経営に影響　松江のタクシー業者不安視　市は共存へ試行錯誤

　デマンドバス「まつえのるーと」は決まった運行ルートや時刻表がなく、ＡＩが予約状況に応じて最適なルートを割り出す。 　乗降場所は宍道に２７４カ所、八雲・忌部は２９３カ所。利用者は専用のスマートフォンアプリや電話で希望の乗車日や乗車地、降車地を予約し、指定された時間に乗車する。 　市内では八束、大野・秋鹿地区に続き、現行のコミュニティーバスの後継として導入された。宍道は８人乗りボックスカーで、運行経費は１０月からの半年間で１３３１万円。宍道地区コミュニティバス利用促進協議会の石富修会長は「地域の公共交通の要として力を発揮することを願う」と話した。 　八雲・忌部は８人乗りボックスカーと４人乗り普通車の２種類で、経費は半年で２６３６万円。忌部コミュニティバス利用促進協議会の倉石明美会長は「乗車して（地域を）盛り上げていきたい」とした。 　両地区とも月曜から金曜の午前７時～午後６時に運行し、運賃は大人１回２００円など。