今年のX Gamesでは色々な「初」が見られ、歴史的快挙の連続となったスケートボード競技【X Games Chiba 2024】スケートボード各種目まとめレポート
練習からしっかりパークの特性を把握し、いち早く自身のラインを完成させていたクロエ・コベルはステアを得意の「キックフリップ」で飛び出すとバンクで「スイッチキックフリップ」から「ノーリーフリップ」、ラストのハンドレールで「バックサイドテールスライド」まで危なげなくフルメイクし盤石な強さを見せ1本目のスコアを守り切り金メダルに輝いた。 コベルも男子の白井と同様、パリオリンピックではメダルを逃す悔しい思いをしたが、オリンピック後初となるこの世界大会で見事な成績を残して、幸先の良い新たなスタートを切った。
バート種目は新世代の台頭と世界初メイクトリックが現れる歴史的な幕切れ
ストリート種目やパーク種目と同様に日本人選手たちが大活躍を見せているバート種目。今大会では女子カテゴリーの開催はなかったが、男子カテゴリーにて新世代の台頭と競技のネクストレベルを目の当たりにした。バートは招待選手10名、バート・ベストトリックは招待選手8名によって、異次元なトリックの数々が披露されてメダルが争われた。 男子バート 今大会で新世代の台頭として確かな実力を見せたのは日本の猪又湊哉。先日の「X Games Ventura 2024」にてX Gamesデビューを果たし初出場で銀メダルを獲得した彼は、ラン3本目で素晴らしいライディングを見せる。ハイエアーから繰り出される「540」を皮切りに、常に高いエアーを保ちながら「ダブルキックフリップインディグラブ」や「ステールフィッシュ540」「バリアルフリップインディグラブ」そしてラストトリックには「ステールフィッシュ720」という非の付け所のないランで90.00ptをマーク。そのままスコアを守り切り、自身の2個目の銀メダルを2大会連続で獲得した。次世代と言わず既にトップライダーの仲間入りをしている彼は芝田モトの後を追う若手ライダーの一人だ。
今回金メダルを獲得したのは盤石の強さを見せたギー・クーリー(ブラジル)。全体を通して着実にフルメイクを重ねたことにより他のライダーが攻めざるえない状況を作りミスを誘発すつことで優位に進めた。そんな中で迎えたラストランでは圧倒的なライディングを見せる。30秒という限られた時間の中で「ボディバリアルフリップ900」を2度メイクするなどと終始完璧なトリックのフルメイクでランを終えるとさらにスコアを93.33ptまで伸ばし金メダルを獲得した。 そしてしっかり言及しておきたいのは西川有生、河上恵蒔に未来を見た今大会ということだ。西川はラン1本目から「ダブルキックフリップインディグラブ」や「キックフリップバックサイドリップスライド to リバート」を決めきりフルメイクで会場を沸かせた。河上は大会前から多くの注目を集め、大会当日は本調子ではないにも関わらず彼の名を世界に示した「900」をしっかり決めてみせた。まだ西川は11歳で河上は10歳というこれからが末恐ろしい年齢。彼らがX Gamesの舞台で中心人物になる日もそう遠くはないだろう。
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