黄金色に輝く一面の湿原の中へ やさしい陽だまりに抱かれて“チル” 長野県・入笠山の旅<前編>
山頂駅を出ると大パノラマ! トレッキングポールの無料レンタルも
ゴンドラを降りると、正面に無料で利用できる貸出用のトレッキングポールがズラリ。珍しいサービスに、佐竹さんも「とても気が利いている! 初心者の友だちを連れてくる時やポールを持ってくるのを忘れた時に便利ですね」と感嘆の声を漏らす。 山頂駅のすぐ横は広場になっていて、さきほどまで見えていた八ヶ岳が目の前いっぱいに広がります。圧巻の迫力に二人とも「綺麗~!」と写真のシャッターが止まりません。スマホを固定できるフォトスポットを発見したので、もちろん記念に撮影(笑)。
入笠湿原まで約10分。ふっかふかの心地よい山道をゆく
入笠湿原を経て入笠山へ向かうコースは片道55分が目安。まずはアノカラ山の森の中を10分ほど歩いて、入笠湿原を目指します。 落葉樹とクマザサに囲まれた山道は陽がきらきらと差して明るく、土や木の香りがほのかに立ち込める。最高の森林浴に、自然とリラックスした気分になります。 それに山道はしっかり整備されているため、とても歩きやすい。「落ち葉と柔らかい土でふかふかの道は膝にやさしいし、歩いていて気持ちいい。トレッキングはもちろんだけど、つい走りたくなりますね」(佐竹さん) 歩き出してから数分ほど、あっという間に入笠湿原の入り口に辿り着きました。この鉄の扉は、植物が荒らされないよう鹿の侵入を防ぐためのもの。開けたらしっかり閉めるのがマナーなので覚えておきましょう。
うねるように続く木道をすすみ、黄金色に染まる湿原の中へ
スズランやスミレ、エゾリンドウなど四季折々の花と出合える場所として人気の入笠湿原ですが、晩秋にもなれば花も枯れ、辺りは次第に黄金色に染まります。これがまた幻想的で、ひとたび静寂の湿原に入れば、まるで時が止まったような不思議な感覚を覚えます。 「そこまで広い湿原ではないけれど、ヨーロッパの原風景のような迫力に圧倒されました。春や夏に見られる花畑に負けないくらい、秋の情緒的な雰囲気も魅力です」(平野) 「湿原の中をうねるように連なる木道の存在も、この幻想的で牧歌的な風景をより魅力的に演出してくれていますね」(佐竹さん) 歩きやすい木道も、早朝には霜が降りて滑りやすくなっている場合も。景色に見惚れすぎて転倒しないよう、くれぐれも足元には注意しましょう。