藤井七冠の師匠・杉本八段「2人は“真のライバル”になった」伊藤新叡王誕生の瞬間は「自分の事のように悔しく」
伊藤新叡王の師匠・宮田利夫八段には厳しい教えがあり、25歳までは酒・ギャンブルが禁止だということです。伊藤新叡王は、最初に挑戦した竜王戦の激励会の席で、「賞金を半分師匠にあげる」と話しています。 その賞金について6月21日、伊藤新叡王は会見で「その話はまだしていない。師匠と直接会ってお話ししたいなと思います」と話しています。 杉本八段: 「やわらかい空気でしたよね。いい言葉でね、私も藤井七冠にこの言葉を聞かせてみたいなと」 Q.今までに藤井七冠から何か買ってもらったことは 杉本八段: 「推定100万円ぐらいするんじゃないかと思うパソコンを、彼が扱っていたものをもらったことはあります。使っていたものの方が価値があるので。何よりも弟子の活躍そのものが師匠にとって嬉しいことなので、伊藤さんはもう十分、賞金なんかあげなくても素晴らしいものを宮田師匠にあげていると思います」 Q.伊藤新叡王は会見で、少し固まりながらも微笑んでいました。棋士の方は淡々としている印象がある 杉本八段: 「例えば、対局に勝ってもあまり喜びを見せないですよね。これは対局相手に失礼に当たるからということがあります。相撲や武道などもそうですよね、将棋の“道”だからというところはあります。『礼に始まり礼に終わる世界』だからと。子供の頃から“相手にまず関心を忘れてはいけない”という教えがあります。宮田八段の教室はたくさんのお子さんを教えられているみたいですし、そんな教えもされてるんだと思います」 Q.棋士としての気持ちも教えると 杉本八段: 「将棋は考える時間がすごく多いんですね。指して駒を動かしている時間よりも、考えている時間の方がずっと長いので、そこでの考え方というのはすごく重要だということは、師匠は話しますね」 Q.新たなライバルが藤井七冠に登場した 杉本八段: 「もともとライバル関係ではあったんでしょうけど、改めてタイトルを奪取したということで『真のライバル』になったなという気がしますね」