名スカウトが2戦3発の広陵・中村捕手を「古田敦也よりスケール大きい」
広陵の中村奨成捕手へのスカウトの評価が急上昇している。17日も、2試合連続となる3ランで強豪の秀岳館を突き放してチームの10年ぶりのベスト16進出を引っ張った。 1回戦の中京大中京戦で逆方向のライトへ2発を放り込んでネット裏スカウトの度肝を抜いた中村は、この日も、初回、秀岳館のドラフト候補左腕の川端健斗のボールをよく見極め、二死から140キロのストレートを引っ張ってレフト線に二塁打を放つと、4回にはレフト前へ弾き返して出塁、俊足を飛ばして、バント、エラー、暴投でダイヤモンドを駆け廻って先制ホームを踏んでいる。 そして甲子園をどよめかせたのが9回。一死二、三塁のチャンスに秀岳館のもう一人のドラフト候補左腕である田浦文丸のインサイドをえぐるような初球のストレートをゆったりとしたタイミングですくいあげるようにジャストミート。打球は、レフトスタンドへライナーで消えていった。 ヤクルトのスカウト責任者時代に古田敦也を獲得している片岡宏雄氏は、「久々に出てきたキャッチャーのドラフト1位候補だな。攻走守が揃っている珍しいタイプで、やわらかさが魅力。たいていの捕手は、でかいけど固い、パワーはあるけど鈍いというのが多いが、彼は違う。ボディバランスがよく、動きがスムーズだ。西武の伊東勤のようなスピードもあり、古田敦也のアマチュア時代よりは、ひとつスケールが大きい。キャッチャーのイメージを一新したキャッチャーと言える」と絶賛した。 まずは、その打棒。この日も、1球で仕留めた。 「難しいコースを簡単に打つ。インサイド、低めと、普通の打者が苦労するところに自然にバットが出てくる。タイミングの取り方も、陽岱鋼のようにゆったりとしているので、ボールをひきつけることができて選球眼もいい。対応もしっかりとできるんだと思う」 そして、キャッチャーとしてのキャッチング、二塁への送球タイムが、プロでも難しい1.8秒台をマークするなど、単なる強肩ではなく、クイックネスがある。 「バッティングもそうだが、プレーにやわらかさがあるので、キャッチングもやわらかい。センスを感じる。送球も動きの素早さには目を奪われる。キャッチャーのセンスを感じるよな」