【独占】ニッポン生まれフィリピン育ち 逆輸入特撮映画『ボルテスV レガシー』ヒットの裏側に迫る監督インタビュー “レガシー”に込められた愛
1977 年に放送された日本のテレビアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」が、約半世紀の時を経てフィリピンで実写化。地球を防衛する若者たちと宇宙人たちの攻防を描いたアニメが、生まれ故郷・日本への凱旋した映画『ボルテスV レガシー』が、ただいま大ヒット上映中だ。 公開初週の週末観客動員数でTOP10 入りを果たし、SNSでは「フィリピンの方々の溢れる原作愛に脱帽」、「長浜作品の来る!と判る泣きを押さえてて懐かしさと新鮮味を楽しめた」、「そのリスペクト具合に凄い泣かされるし観たかったものは確実に観せてもらった!!︎」とファンより熱い感想が寄せられている。 フィリピンでなぜ日本のロボットアニメが、熱烈な支持を受け実写化に至ったか?は、掲載済みのコラムに譲るとして、ここでは、ヒットの要因の一つである制作陣の深すぎる愛が伝わるマーク A. レイエス V監督のインタビューを掲載する。
実写化における原作アニメへのリスペクト from フィリピン
本作の完成度の高い実写化に対して、公開初日より多くのファンが、「よくぞ、ここまで!」という賛辞が跡を絶えない。その高評価の理由は、なにより原作アニメ「超電磁マシーン ボルテスV」への愛に溢れていることに他ならない。 本編には、原作アニメと同じ主題歌「ボルテスVの歌」が日本語で展開される。フィリピンでは第二の国歌といわれるこの歌を、フィリピンの歌手、ジュリー・アン・サン・ホセが、原作アニメの主題歌を担当した堀江美都子の歌唱を聞き込み、発音や歌い方を堀江自身も驚くほど似せたことも、オマージュとしての完成度を高めている。 主人公たち、ボルテス・チーム 5 人の跳びはねるような動きがそれにあたり、エンディング映像中に何度も登場する。ボルテス・チームの 1 人、ビッグ・バート・アームストロングの吹替キャストを務めた花倉桔道が、初日舞台挨拶で本エンディングについて「『やりすぎだろ!』と思うくらいの再現度でした。収録の際は思わず笑ってしまいました」と語るほど、ファンならではの熱狂的な愛がたっぷりと込められている。 これだけでなく、本編も原作アニメへのリスペクトと愛がたっぷりと込められているので、まだ観ていない70年代ロボットアニメ好きは、ぜひ劇場に足を運んでいただきたい。 原作リスペクト具合がわかりやすく表れているのが、エンディング映像だ。これは原作アニメのオープニングをオマージュしたものである。注目してほしいのが、原作アニメのオープニングを担当した金田伊功の作画の特徴の一つである、予測不能な動きを再現していること。