【J1鹿島が川崎にシーズンダブルを達成した意味(2)】三竿の右SB、津久井や舩橋ら若手抜擢も奏功。一体感を取り戻した鹿島は優勝戦線にどこまで粘れるか
■津久井「ずっと望んでた場面」
その間も中後監督はコーチとして近い距離で彼らに接し、アドバイスをしてきた。中後監督自身も2007~2009年の鹿島3連覇時代は小笠原満男(現アカデミー・アドバイザー)や野沢拓也らの控え要員としてベンチにいることが多かったから、津久井や舩橋のような選手の気持ちがよく分かるのだろう。人の心に寄りそう彼らしいサポートも、重要な終盤で若手を戦力にできた一員なのかもしれない。 「こういう予期にチャンスが来て、少しでも試合に絡めるようになったのは正直、超嬉しい。ずっと望んでた場面だったんで」と津久井も大きな喜びを感じながらクローザーとしての役割を果たした。 鈴木優磨と交代した徳田誉にしてもそうだが、若い力が積極果敢に向かっていけば、チームに新たな活力が生まれる。そういう意味でも、フレッシュな人材の登場は大きかったのだ。 改めて一体感を取り戻した鹿島に残されたゲームは4試合。名古屋グランパス、京都サンガ、セレッソ大阪、町田という難敵ばかりだ。優勝争いは他力本願だが、ミラクルを起こすためには全ての試合に勝つことが必要不可欠である。ここから先はまさにトーナメント戦。ある意味、鹿島というクラブにとっては得意な状況かもしれない。逆転の可能性は極めて低いが、最後まで諦めることなく、全力を注ぎ続けていくべき。それが常勝軍団復活の大きな一歩になるはずだ。 (取材・文/元川悦子)
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