交代出場の米崎が2ゴール!延長の末、日体大柏が堅守・千葉明徳を退ける
ボールポゼッションのデータを取っていたら、日体大柏が圧倒的な数値を叩き出していたのではないか。だが、堅守を誇る千葉明徳の牙城をなかなか切り崩せず、試合はこう着した。 【フォトギャラリー】日体大柏 vs 千葉明徳 均衡が破られたのは、後半終了間際の78分だ。セットプレーのキッカーを務めるなど、攻撃の軸であるMF7島崎貢輔(3年)に代わり、ピッチに送り出されたMF24米崎一真(2年)が待望の先制点をゲット。アディショナルタイムを含めても残りわずかだけに、日体大柏は勝利を確信したはずだ。 ところが、2分後、思わぬ形からPK献上。これを千葉明徳のMF6元木拓海(3年)が冷静にゴール右隅に流し込み、振り出しに戻った。 ボールを握り、丁寧に攻撃を構築する日体大柏。かたや、カウンターやセットプレーから活路を見出そうとする千葉明徳。試合に構図は延長に入ってからも変わらず、1-1のままPK戦に突入か、と思われた矢先のことだった。 決勝点が記録されたのは、100分。左サイドでボールを受けた日体大の米崎が、右足でのインスイングクロスを千葉明徳のゴール前に送る。敵、味方が入り乱れるなか、だれもボールに触れることなく、ゴール右隅に吸い込まれていく。まさにスーパーサブなる働きを見せた米崎が、チームを勝利に導く2ゴール。準決勝進出の立役者となった。 日体大柏の根引謙介監督は、次のように試合を総括している。 「対戦相手の千葉明徳の守備のよさはわかっていたので、厳しい戦いを覚悟していたし、実はPK戦までもつれることも想定していました。ボールを動かしながら相手ゴールを目指すという自分たちのサッカーを続けてくれましたが、なかなか決めきれず、“じれったいな”と思ったりもしましたね(苦笑)。でも、こういう厳しい試合を通して選手たちは成長していくものだし、勝ちきったことで得られたこともたくさんある。何より次につながったわけで、ベスト4という舞台は選手たちがまたひとつ成長するための貴重な機会になるでしょう」 6月12日、準決勝でぶつかるのは流経大柏だ。難敵中の難敵だからこそ、自分たちの現在地をはかるうえで、「格好の相手でもある」と、日体大柏のだれもが受け止めている。 (文・写真=小室功)