兵庫県知事選、SNSが決め手に? 「偏っている」「デマにだまされた」…“不信”テレビのあり方 『news zero』の課題と悩み
日テレNEWS NNN
兵庫県知事選の出口調査によると、SNSを参考にした投票した人の9割弱が斎藤氏を支持しました。選挙におけるSNSの影響力は高まり、斎藤知事を支持する人はテレビなどメディアへの不信感をあらわにしています。テレビとSNSのあり方を考えます。 【画像】失職を選択 兵庫県知事「議会の解散」も「辞職」も選択肢になかった…出直し選挙は「1人でやる」
■斎藤知事「いろんなものを見て判断」
藤井貴彦キャスター 「兵庫県知事選挙をめぐって、SNSの発信とメディアの伝え方について、今私たちzeroでも悩んでいるということを正直にお伝えしながら考えていきたいと思います。再び兵庫県知事に就任した斎藤氏が19日、会見に臨みました」 斎藤知事 「大事なのは、新聞やテレビの報道っていうのも、いろんな各社さん取材されながら報道していると思います」 「有権者の皆さんはSNSとかYouTubeとか雑誌もそうですけど、いろんなものを見て、最終的には投票の判断をされるので、それをぜひ、いろんな形でご自身が判断していただきたい」 藤井キャスター 「今回、斎藤知事に投票した人たちの中に『テレビは一方通行、偏っている』『SNSで色々調べて決めた』という声があるのは確かだそうですね」
■「新聞やテレビ」参考にした人は34%
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「読売新聞の出口調査(2024年11月19日)によると、今回兵庫県で投票した人たちに『どの情報を最も参考にしましたか』と聞いたところ、『新聞やテレビ』が34%、『SNSや動画投稿サイト』が26%。SNSを参考にした人たちの9割弱が、斎藤氏を支持しました」
■ファクトチェックに多くの時間
藤井キャスター 「ここまで影響が大きくなった理由をどう考えたらいいでしょうか?」 小栗委員長 「その理由は1つに絞ることはなかなかできませんが、選挙戦中の情報の出方も背景の1つにあると思います、今回の選挙戦の特徴の1つとして、斎藤氏へのサポートを掲げて立候補したNHK党の立花孝志党首が告示日以降に、多くのYouTube動画を投稿しました」 「この中では、(さまざまな疑惑を告発した男性職員は)『ウソとうわさ話と作り話を並べて斎藤さんを落としに行った』と語り、『大手メディアのデマにだまされた』などとメディアへの不信感をあらわにしました」 「『作り話』などの情報は今なお事実として確認できない情報ですが、こうした情報に触れて、『斎藤知事は悪くない』と思った人たちも多かったでしょう」 「私たちは、こうした情報などに対して大きく扱うことはしませんでした。なぜかというと、前提としてテレビは放送法や公職選挙法で中立・公平であることが求められていて、私たちは事実と確認できたことだけを放送しています」 「そうした中、立花氏の主張が事実なのかどうか、ファクトチェックをするには非常に多くの時間がかかるので、わずかな期間ではできなかったというのが正直なところです」 「ただ、もし事実と確認できない情報をもとに投票した人がいたとしたら、民主主義の根本である選挙そのものが歪められる事態になりかねません。それだけに、何か私たち伝える側としてももっとできることはなかったのか、今後の課題だと受け止めています」