「たべられません」の小袋、中身をお菓子に〝ふりかけ〟て…海外の友の謎行動 その理由にメーカーが動いた
海外の友人に日本のお菓子をお土産にあげたら、包装の中の「たべられません」の小袋を「トッピング」だと勘違いして、お菓子にパラパラと振りかけていた……。そんな投稿がSNSで話題になりました。なぜそんなことが起きるのか? メーカーに聞きました。「食べられません」を広く海外にも伝える取り組みが動き出しました。(withnews編集部・松川希実) 【画像】「たべられません」新デザインは〝グローバル対応〟「これなら伝わる」
「小袋は入っていませんでした!」
話題になったSNSの投稿を見ると、「たべられません」の小袋を取り出して、トッピングにしてしまったのはヨーロッパ在住の方のようでした。 オランダに移住して、シンガーの傍ら、現地で〝泥だんご〟を広めている山田典子さん(@MPgybuHx96dPQqL)に「たべられません」の小袋を現地の人はどう感じているか、聞きました。 「確かに、オランダではあまり見かけないです。日本では必ず『たべられません』の小袋が入っていそうなマドレーヌの大袋にも入っていませんでした」と言います。 典子さんは、その後、現地のスーパーでケーキやクッキーなどの焼き菓子をいろいろ見てくれましたが、様々なパッケージを裏返して見ても「どれも小袋は入っていませんでした!」。 「たべられません」の小袋は世界の〝常識〟なのかと思っていましたが、もしかして、あの小袋自体が、それほど知られていないという国もあるのでしょうか。
「日本ほど食品に使用されているケースは多くない」
「食べられません」の小袋、「脱酸素剤エージレス」を作っている三菱ガス化学に話を聞きました。 そもそも「脱酸素剤」とはなんでしょうか。「乾燥剤」とは違うのでしょうか。 脱酸素剤は主成分が「鉄」であるものが主流。エージレスは鉄が密閉容器内の酸素を吸収することで、〝脱酸素状態〟を作り出し、容器内の物が酸素から受ける影響(酸化)を減らしているそうです。 そのため食品に使うとカビの発生や酸化劣化を防ぎ、味や風味、色合いなどを保持して、賞味期限の延長に役立つと言います。 これに対して「乾燥剤」の主成分は「シリカゲル」などで、「容器内の水分を吸収して乾燥状態を高めるもの」。主にせんべいや海苔などの食品に使われているそうです。 では、海外で脱酸素剤は使われていないのでしょうか? 三菱ガス化学の担当者によると、もともと世界に先駆けて脱酸素剤を開発したのが三菱ガス化学。いまでは「海外でも多数ご使用いただいております」と、世界に広がっている技術である一方で、「特に欧州では、日本ほど食品に使用されているケースは多くないため、脱酸素剤をご存じなかった可能性が考えられます」と言います。