【1ドル=161円台】新NISAも“新たな円安要因”…「止まらぬ円安」の背景【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
新NISAも新たな円安要因、円安抑制には収支構造の改革が有効だが、かなりの時間を要する
なお、図表2の対外証券投資のうち、株式投資信託関連は、投資信託委託会社等による株式・投資ファンド持ち分ですが、2023年は4.2兆円の純資産増となりました。今年は、新NISA(少額投資非課税制度)の影響もあり、1月から4月までの累計額はすでに4.6兆円と、昨年1年間の純資産増加額を上回っています。このうち、投資開始時に為替ヘッジなしの場合は、円安要因となります。 このようにみると、近年の収支構造の変化が、足元の円安進行の一因になっていると推測されます。したがって、円安を止めるためには、収支構造の改革が有効な手段となり、具体的には国際競争力を持つ産業の育成、エネルギーの輸入依存の低減、国内への直接投資および証券投資の呼び込みなどが考えられます。ただ、いずれも実現にはかなりの時間を要し、容易ではないと思われます。 (2024年7月4日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【1ドル=161円台】新NISAも“新たな円安要因”…「止まらぬ円安」の背景【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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