侍ジャパンで躍動する投打の主軸は虎戦士 森下&才木が藤川阪神の中心軸になる 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
侍ジャパンの4番とエースが虎戦士! この事実を土台に、阪神の藤川球児新監督(44)は来季のチーム構想を築き上げることになりますね。フリーエージェント(FA)宣言を行った大山悠輔内野手(29)と原口文仁内野手(32)が流出気配で、今季の開幕投手・青柳晃洋投手(30)もポスティング制度を利用して米大リーグ挑戦…。投打に戦力ダウンの心配が募りますが、日本代表「侍ジャパン」が参戦している国際大会「プレミア12」で躍動しているのは、4番の森下翔太外野手(24)とエース格の右腕、才木浩人投手(26)。これらが示しているのは、チームが戦力的に新しい時代を迎えたということです。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 ■虎番と良好な関係 長く虎番を務めていた者からすれば、驚くべき話?が国際大会の舞台から聞こえてきます。阪神から選出され、4番を務める森下や先発の軸・才木と、彼らを取材するために随行している虎番諸氏の関係性が実にフレンドリーで、他球団の担当記者から見ていても「うらやましい」ぐらいにいい雰囲気なのだそうです。 自戒を込めて書きますが、かつての阪神の選手たちと虎番の関係性はどこかギクシャクし、選手たちは新聞記者を警戒?敵対視?していて、虎番たちもスクープ合戦のネタとして選手たちを見ていたような記憶があります。 そんな中、それでも選手と記者との個人的な関係性をそれぞれで築いてきたのですが…。特に虎番の懐深くに入ってきたのが、選手時代の岡田彰布前監督でした。番記者と飲みに行ったり、マージャン卓を囲んだり…。岡田さんは書かれることに実に太っ腹で、主張すべきことは相手が誰であろうが、ハッキリと物申すタイプでした。そんな姿勢は監督時代もあまり変わらなかった稀有(けう)な人です。 ■日本代表の4番とエース 時代が移り、それでも阪神というファンやマスコミが異常なほど注目するチームの中で、番記者と「うらやましいほどの関係性」を築いている森下と才木は選手としての実力だけではなく、人間性も秀でているのでしょう。そして、何よりこれも特筆すべき事実なのですが、侍ジャパンすなわち日本代表のプロ集団で森下は4番を堂々と務め、才木はエース格として先発ローテの一角を担っている。これまでの日本のプロ野球界の歴史の中で、阪神勢が日本代表の投打の主軸にいるという事実はあまり記憶にありません。 確かに岡本(巨人)や村上(ヤクルト)の辞退があったからともいえるかもしれませんが、それでも森下は4番に座った4試合(オーストラリア戦、韓国戦、台湾戦、キューバ戦)で活躍。主要な国際大会で4試合連続で打点を挙げるのは、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド全4試合で打点を挙げた大谷翔平(現ドジャース)以来なのです。6打点も現在チームトップで、森下は「得点圏での打率が大事。それが一つの指標で、10打点を超える打点を挙げられれば」と4番としての自覚も十分です。