侍ジャパンで躍動する投打の主軸は虎戦士 森下&才木が藤川阪神の中心軸になる 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
才木も完全アウェーの敵地・台北ドームで行われた台湾戦に先発し、5回⅔を0封。国際大会で投げるのはプロ8年目で初めてでしたが、堂々たるマウンドさばき。
「(打線が)3点も取ってくれたので、楽な気持ちで投げることができた。台湾の応援がすごく、最後は少し力んでしまいましたが、結果的にゼロで終われてよかった」
大会前の強化試合、チェコ戦でも3回を投げて7奪三振の0封。才木の安定感は侍ジャパンの投手陣の中でも抜きんでています。
■右打者2人が流出危機
こうした森下と才木の活躍は現在の虎党からすれば、心の慰めになっているのかもしれませんね。シーズンオフに入るや、今季の開幕投手・青柳がポスティングシステムでの大リーグ挑戦を表明。長い話し合いの末、球団は21、22年のセ・リーグ最多勝投手のポスティングを容認し、さらに大山と原口がそれぞれFA宣言しました。
他球団の評価を聞きたい-とする大山には、永遠のライバル巨人が超巨額条件で獲得に乗り出しました。原口にも故郷の埼玉をフランチャイズとする西武が、DH&捕手候補として獲得に向かっています。もし、大山も原口も流出となれば、右打ちの強打者で一塁を守れる野手2人がいなくなってしまうのです。
藤川監督が就任した阪神は若手主体の秋季キャンプを17日に打ち上げました。新監督は来春のキャンプを厳しい競争の場と位置付け、「2月のキャンプのときにすごく形が変わっていると、ふるいにかかったときにすぐに(2軍に)落とされることになる」と話していました。しかし、実際に激しいチーム内での競争が起きるためには、ポジションごとに好敵手の存在があって、切磋琢磨(せっさたくま)する環境が必要となります。
阪神が暗黒時代にあった頃、選手として晩年を迎えていた岡田さんがこんなことを言っていた記憶があります。
「俺らの若い頃は、各ポジションのレギュラーは競争に勝ち残った者がそろっていた。そういうチームは強い。しかし、今のレギュラーはポジションを与えられた者ばかりやんか。そういうチームは弱い」と…。