能登半島地震から3か月「希望が見えない悩みに耐え」元青年海外協力隊員が見た輪島
神戸:子供たちの状況はどうですか。 小田:私たち協力隊OBチームも市役所の職員さんのお子さんや障害のあるお子さんの見守りをしていました。子供もいろんなストレスを抱えていて、言葉遣いが荒くなったり、手や足を出したりする子が出たりしています。いたし方ないところですが「OK、OK」と言いながら「いけないことはいけないよ」と伝えていくのがなかなか難しい。でも、しっかり人に関わっていくことで、子供たちもちょっとずつ心が解けていったんじゃないかな。
神戸:「展望がない」のが一番苦しいですね。 小田:家が残っている方とか、お仕事がある方は、次に頑張っていけると思うんですけど、ほとんどの方は「全く見えない」って言っています。私もどういうお話をすればいいのかわからず、本当に聞くだけで、言葉が見つからない3週間だったと思います。
ボランティアは週末に受け付け
神戸:輪島市にボランティアに行くことはできるんですか? 小田:ボランティアセンターが、土日の週末だけ受け入れています。でも、宿泊施設がないので、現地に行って、活動して戻って。まだうまくボランティアの運営ができていないという話は聞きます。私たち青年海外協力隊OB会は、元々輪島市に施設があり、宿泊ができるから動きやすくなっています。 田畑竜介アナウンサー(以下、田畑):「半島」という特殊な地形が今回クローズアップされていますが、仮設住宅を建てられる平地は少ないんですか? 小田:土地自体は、駐車場や小学校のグラウンド、田んぼを使ったりと、交渉してうまく場所は確保されていると思うんですけど、やっぱり市内はそこまで広い場所がないので、ちょっと離れたところに仮設を建てたり、海岸沿いの風が強くて冬場は寒いところに作ったり。環境的にはどうかなと思うところもあるんです。致し方ないと思いますが。 田畑:住み慣れたエリアから離れた場所で、コミュニティがバラバラになってしまう可能性はあるということですよね。 小田:それがないようにと輪島市も考えて、同じコミュニティの方は近くにと考えていると思うんですが、なかなか…。そこが今からのポイントになってくるでしょう。ボランティアの我々が、コミュニティを作ったり、争いがないように話し合いを持てる機会を作ったりするのが必要だと思っています。