半田銀山テーマにシンポジウム 漫画家の安彦良和さん特別トーク 福島県桑折町
福島県桑折町の半田銀山をテーマにしたシンポジウムは10日、町内で開かれた。江戸時代、日本三大鉱山の一つとされた半田銀山は幕末に減産を理由に閉山され、1874(明治7)年、薩摩藩出身の実業家五代友厚によって再興された。銀山再興から150年になったのを記念し町、町教委が催した。 県内外から歴史ファンら約400人が来場。特別トークとして「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインなどを手掛けた漫画家の安彦良和さん(77)が登壇した。安彦さんの曾祖父(そうそふ)が半田銀山で絵図面師をしていたゆかりがあり「自分のルーツが半田にあった。自然が豊かで桃源郷のようだ」と印象を語った上で、半田銀山が舞台で五代友厚を主人公にした作品の構想を明らかにした。伊達市梁川町育ちの声優佐々木るんさんが進行役を務めた。安彦さんは今回、五代を描いたポスターの原画も手掛けた。 五代友厚顕彰会の羽原顕三さんと上村修三さん、脚本・演出家の大森美香さんもそれぞれ講演した。羽原さんと上村さんは「五代友厚と半田銀山締約書」をテーマに、地元住民と交わした日本初の公害防止協定とされる「締約書」にまつわる史実や明治天皇行幸の功績などについて説明した。
大森さんは、NHK連続テレビ小説「あさが来た」、大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の脚本を手掛けた。両作品ともに五代が登場しており、時代を駆け抜けた五代の実像と魅力を語った。両作品で五代を演じたディーン・フジオカさん(須賀川市出身)が動画でメッセージを寄せた。 同日はツアーも催され、県内外から約80人が参加し、半田銀山史跡公園や半田山自然公園などを巡った。町歴史案内人から説明を受け、町の歴史や自然の魅力に触れた。