日欧共催大会最終日、攻めに攻めた桂川有人が逆転で優勝!
太平洋クラブ御殿場コースで開催されている日本・欧州共催試合「欧州と日本ツアーの共催試合 ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」。スタート時点で3打差の8位タイまでに16人がひしめく大混戦を制したのは、難しいピンポジションの最終日に7バーディノーボギーで回った桂川有人だった。
コースにいると“流れ”というものを感じるときがある。今日のスタート時点では、今大会のワールドランク最上位であるマチュー・パボンとセバスチャン・ソーダバーグの組か、そのもう一組あとの中島啓太と木下稜介がいる組が優勝争いしそうな雰囲気があった。しかし、いざ始まってみると、パボン、ソーダバーグ、中島はボギーが先行。木下もショットが良くてもパットが決まらず、この2組から“良くない流れ”が感じられた。
中島の組に付いて5番Hに行く途中、7番Hティーイングエリアでニコニコしている桂川有人と杉浦悠太が見えた。両選手とも6番Hがバーディだったからだが、桂川がISPS所属ということもあり、ギャラリーの声援は大きい。何より楽しんでプレーしているように思えた。 桂川は9番Hを終えた段階で、首位タイ。桂川本人は「10番Hティーイングエリアにあるスコアボードで優勝を意識した」らしいが、3打差以内に20人とスタート時点よりも誰が勝つかわからない展開になっていた。とはいえ、この組から“いい流れ”を感じ、付いて回ることに。以下は桂川のストロークになる。
その10番H。ドライバーで打ったティーショットは残り70Yほどのフェアウェイに。下りとはいえ、ランを含めて330Yほど飛んでいることを考えると、目澤秀憲コーチ、稲葉弘泰トレーナーと取り組んだオフの成果だろう。そのセカンドを1ピンにつけ、幸先よくバーディ。11番Hもドライバーでティーショット。ファーストカットに入るも、アイアンでしっかりパーオンし、2パットのパー。12番Hもティーショットはドライバー。セカンドで1mくらいにつけ、楽々バーディ。この段階で、2位以下に2打差をつけて独走状態に入りかけたが、そう簡単に行かないのがDPワールドツアー。 中島啓太がホールアウト後に「今日のピン位置は左に寄せていて、自分のいまの球筋では攻めきれなかった」というように、エッジから3~5mのところがほとんど。13番Hはティーショットは6番アイアンを選択。「ピン位置が左でフェードヒッターの自分としてはピンを狙いにくい。ドローでいこうかフェードでいこうか悩んで中途半端なショットになってしまいました」という結果は左ラフで、ピンチに。ここで入念にグリーン面の傾斜を確認し、選択したロブショットは見事、ピンそばにピタリ。 このプレーを目澤コーチは「昨年10月のアジアンツアー インターナショナルシリーズ・シンガポールから本格的にコーチングさせてもらっていますが、その試合ではキャディをしていました。当時の技量では、この13番Hを寄せることはできなかったと思います。体調、技量、クラブの全部がかみ合ったショットで、こんなに早く成果が出るとは思いませんでした」と話すほど。また、桂川自身も「今朝たまたま、目澤コーチと同じようなシチュエーションの練習をして。それがなければあの場面で寄せられなかったかもしれません」とコンビがいい方向に向かっていることを示唆している。そのパットを難なく沈めて、パー。大学の後輩・杉浦悠太と同組ということもあるのだろう、笑顔が多いラウンドでショットのキレが良く、ほぼノーストレスでプレーしている桂川はもちろん、ギャラリーを魅了する楽しいゴルフを展開している。
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