「認識と確認の甘さあった」経歴詐称疑惑の維新・岬麻紀衆院議員が会見
「認識と確認の甘さあった」経歴詐称疑惑の維新・岬麻紀衆院議員が会見
日本維新の会所属の岬麻紀衆議院議員が16日、衆議院内で記者会見し、選挙公報に記載した大学の「非常勤講師」などの肩書きが詐称ではないかとの疑惑について釈明した。岬議員は、大学が個別に定義している非常勤講師には当てはまらなかったと認め「認識と確認の甘さがあった」などと謝罪した。一方、非常勤講師についての法的な規定はなく、「経歴を詐称しようという気持ちは毛頭なかった」として議員辞職などは否定した。同席した同党の藤田文武幹事長は「用語のあいまいさもあり、国民に疑念を持たれた」として、口頭での厳重注意の処分を発表。岬議員は反省として議員報酬1カ月分を寄付するとした。 【動画】維新・岬麻紀議員が会見 経歴詐称疑惑で説明(2022年5月16日)
維新側は口頭の厳重注意処分にとどめる
岬議員は2019年の参院選で名古屋市の河村たかし市長が率いる地域政党「減税日本」と日本維新の会の共同公認候補として立候補し、落選。昨年の衆院選は維新の所属議員として比例代表東海ブロックで復活当選した。 3年前の参院選出馬時、減税日本を通して作成した選挙公報に「亜細亜大学非常勤講師」との経歴を記載したが、これが虚偽であったとの疑惑を5月6日に「AERA.dot」が報道。その後、「杏林大学非常勤講師」の記載についても同様に報じられた。 報道以来、岬議員が公の場で説明しなかったのは、今回の問題について「報道を受けるまで認識していなかった」ため、調査や確認のために時間がかかったからだと弁明した。
「単に講師職では大学の先生のような印象」
岬議員側の調査では、杏林大学では複数の講師が担当し、学生の単位取得の対象となる科目について講師職を委嘱されていたという。 2019年7月の参院選期間中にも講義を行う日があり、「単に講師職と記載してしまうと大学の先生のような印象を与えてしまう」ため、常勤の講師ではないという意味で「非常勤」と記載したという。 一方、亜細亜大学では大学内でのキャリアセンターやプログラムの講師を委嘱されていた。今回の調査で両大学とも「雇用契約を結んだ非常勤講師ではない」との回答があった。ただし、非常勤講師の定義は大学によってまちまちで、文科省による法的な規定はないと確認したという。
他方、選挙公報以外のプロフィールで公表していた「名古屋大学附属病院秘書職」などの肩書きについては1989年、夜間大学に通う一方で昼間は当時の名古屋大学附属病院分院の役員の秘書業務をしていたと説明した。 こうした疑惑を指摘していた河村市長は同日午前の定例記者会見で「誤解してましたで通じるか」「(政治家として有権者からの)信頼がなくなれば辞めなければいけない」などと批判していた。 (関口威人/nameken)