マグネシウムとビタミンDは一緒に摂取していいの? リスクを栄養士が解説
マグネシウム欠乏症のサイン
腎臓には体外に排出するマグネシウムの量を制限する働きがあるため、マグネシウムが欠乏することは一般的ではないとNIHは述べている。ただし、2型糖尿病や胃腸疾患のような特定の健康問題がある人は、マグネシウム欠乏症になるリスクがある。 マグネシウム欠乏症のサインは次の通り。 ・食欲不振 ・吐き気 ・嘔吐 ・疲労 ・脱力感 NIHによると、症状が悪化するにつれ、痺れやチクチク感、筋肉の収縮とけいれん、脳起源の発作、性格の変化、不整脈などの症状が出る恐れがあるという。
ビタミンD欠乏症のサイン
子供の場合、ビタミンD欠乏症はくる病の原因となる恐れがあるとNIHは述べている。くる病は、骨組織が適切にミネラル化されず、骨が軟らかくなり骨格が変形する病気。 成人や十代の若者の場合、ビタミンD欠乏症は骨軟化症の原因となる恐れがある。骨軟化症は、既存の骨が完全にミネラル化されず骨が弱くなる病気で、NIHいわく骨の変形や痛み、発作、歯の問題といった症状が出る可能性があるそう。
注意すべき相互作用とリスク
マグネシウムを許容上限摂取量の350mgを超えて摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢を起こす恐れがあります、と話すコーエンさん。「マグネシウムの大量摂取は、不整脈、低血圧、意識障害、呼吸抑制を起こす可能性があります」と補足する。 マグネシウムはまた、経口ビスホスホネート、特定の抗生物質(ドキシサイクリンやシプロフロキサシンなど)、利尿薬、プロトンポンプ阻害剤などの薬剤と相互作用する可能性があるので、サプリを摂取する前に必ず医師に相談することが重要だ。 ビタミンDの過剰摂取も有毒になる場合があり、吐き気、嘔吐、筋力低下、神経精神障害、痛み、食欲不振、脱水症状、過度の喉の渇き、腎臓結石などの症状を伴う高カルシウム血症(体内のカルシウム過剰)を起こす可能性があるとNIHは述べている。ビタミンDの過剰摂取は、腎不全、不整脈、さらには死に至ることもある。 NIHによると、ビタミンDはスタチン、ステロイド、チアジド系利尿薬とも相互作用する可能性があるという。 サプリに関しては、「多ければいいというものではありません」とガンズさんは語る。「適切な摂取量を知るには、血液検査を受け、登録栄養士や医師と相談して、一日にどのくらい摂取するべきかを決める必要があります」と補足する。 結局のところ、マグネシウムやビタミンDのサプリ、またはその両方を摂取することに興味がある場合は、今後について医療専門家に相談するのがベストです、とガンズさんはアドバイスする。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images