マグネシウムとビタミンDは一緒に摂取していいの? リスクを栄養士が解説
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 サプリメント業界では、一部の栄養素の組み合わせが何度も登場している。なかでも多いのが、マグネシウムとビタミンD。最近では、不安症の症状に効果があると話題になっている。 マグネシウムとビタミンDは別々の栄養素だけど、一緒に作用することが知られている。「マグネシウムは体内のビタミンDの吸収において重要です」と話すのは、『ザ・スモール・チェンジ・ダイエット』の著者で登録栄養士のケリー・ガンズさん。「適切なマグネシウム量がないと、ビタミンDは最適な状態で機能しません」 TikTokでは、マグネシウムとビタミンDを一緒に摂取するのがベストだと主張する人もいる。これは本当なの? それとも全くの迷信? 栄養士が説明してくれた。
マグネシウムの効果
米国立衛生研究所(NIH)によると、マグネシウムは体内にあるミネラルで、多くの食品にも天然に含まれている。さらにマグネシウムは、たんぱく質合成、血糖コントロール、血圧調節など、体内の反応を調節する300種類以上の酵素における補因子(酵素の触媒活性に必要な化学物質)でもあるという。 「言い換えると、マグネシウムは筋肉の収縮、神経筋伝導、インスリン代謝、血圧、心臓の興奮性、血管運動神経緊張度、神経伝達など、非常に多くの生理機能にとって重要な、体内の何百もの生化学的および代謝的反応の促進に役立ちます」と、ラトガース大学保健専門学科で臨床予防栄養学科の准教授であるデボラ・コーエンさんは話す。「これらすべての機能において重要なため、マグネシウムは多くの病気や症状の予防と治療の両方で重要な役割を果たします」 さらにマグネシウムは、エネルギー生成、骨の構造発達、DNA合成、神経インパルスにも必要であるとNIHは述べている。またマグネシウムが不安症に効くという主張について、関連する研究が「非常に限られています」と話すコーエンさん。そのため、「断定はできません」と彼女は続ける。