フィナーレで手を振る橋本環奈（中央左）、有吉弘行（中央）、伊藤沙莉（中央右）ら出演者

◇コラム「芸能リポーター・山﨑寛代のぶっちゃけトーク」 　芸能リポーターとして紅白歌合戦の舞台裏取材は恒例。年末のリハーサル、本番後の出演者の出待ちインタビューを行うのですが、振り返ってみると今回は特に“秘密裏”にリハーサルが進められていた印象です。公開されたリハーサルは例年より少なく、出場歌手の3分の1、それもバンド演奏など豪華なセットや演出のないものばかり。どんな紅白になるのかは視聴者の方と同じ感覚で見ていました。 ◆大トリはMISIA…紅白歌合戦出場歌手＆曲順【画像】 　そんな中、NHK悲願の初出場のロックバンドB＇zの演出には興奮しました。朝ドラ「おむすび」の主題歌「イルミネーション」をNHKホール以外の別スタジオからの披露だったので「あっ、生出演ではないのね」とテンションがやや下がっていたところに、2人がカメラに向かって移動し、観客のいるNHKホールに登場するサプライズ。「LOVE PHANTOM」（ラヴファントム）、「ultra soul（ウルトラソウル）」を披露。司会者も知らなかったようで、橋本環奈さんらが驚く様子が放送されました。 　実は、知らなかったのは司会者だけでなく、NHKの広報担当者も「びっくりしたよね、B’z」と話していたので、本当にごく一部の制作サイドしか知らなかったようです。まさに秘密裏作戦。見ている側に生放送の熱量が伝わり、驚きがわき上がってきたようで、会場の一体感はすごかったですよね。 　B’zの後は、藤井風さん。ニューヨークから生中継で「満ちてゆく」を披露しました。会場と視聴者を熱狂させたB’zから、がらりと雰囲気を変えて、ニューヨークの街並みの雰囲気を伝えつつ、一発で決めないといけないという生放送ならではのチャレンジ。生放送の一回きりという部分、生の歌声が素晴らしかったです。 　2025年3月に迎える放送100年に先駆けた「放送100年　特別企画」も見応え十分。紅白はその年に活躍したアーティストが出場するという印象ですが、放送100年の節目に、昭和のフォークブームをけん引した南こうせつさんが「神田川」を、イルカさんが「なごり雪」を披露。放送後、こうせつさんに「（心に）しみました」と感想を伝えると、「そう言ってもらえるのは50代以降なんだよね（笑）」と言われましたが（笑）、お2人の歌唱で、青春時代を思い出した人もいるでしょうし、世代的に「刺さった」方が多かったように思います。 　それから、昨夏に1年8カ月ぶりに本格復帰した氷川きよしさん。圧巻の歌唱でした。休養期間もトレーニングをしていたに違いないパワフルな歌は、紅白にはなくてはならない存在。放送終了後、「おかえり、キーちゃん！」と声掛けすると、「最高でした！！みんなが幸せになりますように～」とキーちゃんらしいコメントを残してくれました。 　41年ぶり2回目の出場となったTHE ALFEEは、「新人のつもりでやる」「50年もののバンドの姿を見てもらいたい」「70歳になっても全員自毛」と事前取材では笑いもとっていましたが、さすがこんな70歳はいない！ステージからパワーをもらえました。久しぶりの紅白に「様変わりしたよね～」「とにかく短冊みたいなLEDがすごいのでびっくりした」なんてコメントはほっこりします。 　そんなTHE ALFEEをもバックにマルチアーティスト・こっちのけんとさんは「はいよろこんで」で盛り上がりました。郷ひろみさんは振り付けもしっかり練習されていて、けんとさんは「本番でチラッと見たらひろみさんが踊っていて、それで一気に緊張して、でも本当に一番の夢でした」と、夢の舞台を振り返っていました。出場者全員で踊ったりするのも紅白らしい選出。今回は、Number＿ⅰの平野紫耀くんが「パプリカ」で弾けて踊っている姿はほほ笑ましかったです。 　そして、このところの定番が三山ひろしさんのけん玉、そして今後定番になるかもしれない水森かおりさんのドミノ倒しはハラハラドキドキ。水森さんはドミノの音は「かなりの騒音」と笑っていましたが、ギネス挑戦にも前向きでした。 　放送後の取材では、南こうせつさん、イルカさん、福山雅治さんの貴重なスリーショットが実現。福山さんは、初めてCMでカバーソングを歌ったのが、イルカさんの「なごり雪」だったそうです。福山さんが「そのおかげでぼくはここにいます」とイルカさんをリスペクト、すてきでした。そして、紅白初出場の新浜レオンさん。「お疲レオーン！」と、通称“膝スラ”の膝スライディングを取材場所、NHKの駐車場でやり、「ヤバい！破レオン！」とサービス。Mrs．GREEN APPLEは次の歌番組出演で時間のないなか立ち止まり、ボーカルの大森さんは「来年もたくさんリリースして健康に過ごしたいと思います！」と宣言してくれました。B’zのお2人はというと、取材エリアを通過せず別のルートで帰ってしまったそうです。そこもやはり秘密ルートでした。とはいえ、今回もたくさんの出場歌手の方々にご協力頂きありがとうございました。 　▼山﨑寛代（やまざき・ひろよ）　FM群馬での勤務を経て、TBS系「3時に会いましょう」「スーパーワイド」、テレビ朝日系「スーパーモーニング」などワイドショー・情報番組でリポーターを務める。朝日放送系「おはようコールABC」出演を機に芸能リポーターとして、現在はテレビ朝日系「羽鳥慎一のモーニングショー」、福岡放送「めんたいワイド」に出演中。旧ジャニーズ事務所や歌舞伎などを中心に取材している。