<いざ!頂点へ・24センバツ報徳学園>軌跡/中 順調に見えた新チーム 大阪桐蔭に力負け /兵庫
2023年のセンバツ準優勝チームにメンバー入りしていた7人が中核となって始動した新チーム。同年秋の県大会は順調に勝ち進んだ。ともに前回センバツで投げた、多彩な変化球を操る主将の間木(まき)歩投手(2年)と、最速150キロの直球が武器の今朝丸(けさまる)裕喜投手(同)が交互に先発してチームを引っ張り、3回戦までわずか1失点で準々決勝を迎えた。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 相手は神戸国際大付。夏の兵庫大会5回戦で先輩たちを引退させた因縁の相手だった。三回に1点を先制されたが、その裏で2四球を選んで2死一、二塁の好機を作り、斎藤佑征(ゆうと)選手(同)の2点適時二塁打で逆転。四回も2四球と犠打を絡めて2死満塁とし、安井康起選手(同)の適時三塁打で一挙3点を奪った。投球術にたける相手エースの対策に、徹底してボール球を振らない作戦だった。今朝丸投手は完投し、内野も要所で好守備を見せた。 勢いに乗り、準決勝は間木投手が8奪三振、与四球ゼロで完投して社に3―1で勝利。須磨翔風との決勝は今朝丸、間木両投手が継投し3―2で競り勝った。県大会6試合で失点は6。29四死球、19犠打飛、12盗塁と、機動力と小技を生かして勝ち上がった。 「投手中心に守り、走塁で点を取る。爆発的な力はないけれど、まとまりがあって大量失点はしない。打線も爆発的勢いは感じないが、落ち着きはある」。大角健二監督(43)は新チームをそう評する。一つ上の堀柊那捕手のように長打力のあるスラッガーはいなくとも、走力、守備力、バッティングのバランスの良さが野手陣の持ち味という。 そして県の第1代表として進んだ秋の近畿大会、チームは前大会に続き大阪桐蔭に3―4で打ち負かされた。打線は相手の3投手継投に14三振を奪われた。3番手で八回に登板した大阪桐蔭・森陽樹投手(1年)には、2回で4三振を重ねた。試合後のミーティングで大角監督は問いかけた。「完全なる力負け。10回やったら10回負けるぞ。ほんまに勝つ気あったんか?」【稲田佳代】 〔神戸版〕