大谷翔平のスライダーから「音が聞こえたんです。シュルルルって…」甲子園で花巻東を撃破も…大阪桐蔭“黄金世代”の副将が語る「衝撃の記憶」
大谷のスライダーから「音」がした?
ただ、薄く笑みを浮かべながら白水はこんなエピソードも明かす。 「これは誰に話しても『嘘やろ』って言われるんですけど……」 大谷と対戦して、忘れられない“音”があるという。 「自分が最初の打席で三振したのはスライダーだったんですけど、そのスライダー、音が鳴っていたんですよ。回転の時? の音っていうんですかね」 その音は、明らかに「シュルルル」という音だったと白水は振り返る。 「キレのいい真っすぐを投げたらそういう音がするのは分かるんです。でも、大谷のスライダーも唸っていました。みんな信じてくれないんですけど、これは絶対に聞こえました。自信を持って言えます」 もちろん、そんな投手とは前にも後にも対戦していない。
30歳を迎える大阪桐蔭「黄金世代」の副将…現在は?
ノックバットを手に、大きな声を張り上げる。時には笑顔で、状況によっては険しい表情だ。来月いよいよ30歳を迎えるが、まだまだ大学生のようなあどけなさが白水には残る。 この春、白水が監督を務める福井工大福井高は県大会で5年ぶりに優勝を飾った。決勝で敦賀気比を2-1で破り、サヨナラ勝ち。薄氷を踏む勝利ではあったが、夏に弾みをつける結果だった。 だが、白水は既にずっと先を見つめている。 「もちろん優勝したことは嬉しかったですけれど、春に勝ったからどうという意識はあまりないですね。夏に勝たないと。今までコロナの時期も含めて勝たせてあげたいと思っても負けた学年もありました。監督になった頃だったその時と同じように、今年の夏も勝たせてあげたいという気持ちは強いです」 センバツの準々決勝4試合を観戦したことは日本一を目指すチームを見ることが最大の目的だったが、もっと身近なところを選手たちを気づかせる狙いもあった。 「秋に明治神宮大会で星稜が優勝して、北信越の力が秋の時点では一番ということを証明してくれました。ただ、その星稜に北信越大会の決勝で0-1で負けた敦賀気比は、秋の日本一のチームと五分の試合をした。夏に県で勝つためには、自分たちは日本一になるくらいの気持ちで戦わないと気比には勝てないって選手に言っています」 昨秋、星稜が優勝した明治神宮大会と並行した時期に行われていた社会人野球の日本選手権大会。大阪ガスとHonda熊本との決勝も、実は選手全員を引き連れて京セラドームのスタンドで生観戦していた。 遠征のついででもなく、決勝戦だけを見に日曜日の早朝に福井から電車を乗り継いで大阪へ。「保護者の方には(交通費の負担等)色々理解をしていただき、本当に感謝しています」と白水は明かすが、普段触れられない空気を肌で感じさせることが何かのきっかけになると、思い切った作戦を昨秋から敢行してきた。 常に日本一を意識させ続け、春の県大会では優勝。だが、夏は甘くないことは十分理解している。 「自分はまだ指導者として全国大会にも出ていないので偉そうなことは言えないですけれど、夏は県大会の最初から強いところと当たるくらいの気持ちでやっていかないと勝てないです。甲子園には“行きたい”ではなく“行く”くらいの気持ちでやらないと」
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