摂りすぎは禁物? スポーツドリンクなどにも含まれる「電解質」が体に及ぼす作用
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 スポーツドリンクなどのCMで、電解質という言葉を聞いたことがない? 水分補給と一緒に語られることの多い電解質は、体内の水分バランスを整えることで知られるけれど、電気伝導性をもつこの物質にはその他の働きがあり、人々が誤解している場合もある。電解質は体の機能と全体的なバランスの維持に不可欠だけど、そもそも電解質ってどんなもの? そこで、スポーツ栄養と摂食障害を専門とする登録栄養士のエイミー・スティーブンスさんに、電解質と水分補給について分かりやすく説明してもらった。
体内には何種類もの電解質があり、主なものには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物、マグネシウムなどのミネラルが含まれる。これらの電解質は細胞レベルで働き、血圧の調節、筋肉の収縮、細胞内の水分バランスの調整などを助ける。 とはいえ、電解質は水分補給にどう関係するの? 電解質は体内の体液のバランスを保つのに役立ついっぽうで、汗や下痢、嘔吐などで体外に放出される。激しい運動や病気によって体から大量の水分が失われたら、水分と電解質の両方を補給する必要がある。
電解質のバランスが崩れたときに起こる副作用
電解質は体内の多くのプロセスに関与しているため、電解質のいずれかが多すぎたり少なすぎたりすると、何らかの影響が出る恐れがある。電解質の一つ、カリウムのもっとも知られる供給源はバナナだが、クリーブランド・クリニックによると、カリウム過多は高カリウム血症、心臓の不整脈、衰弱、意識障害を引き起こす場合がある。また反対にカリウム不足では、めまい、筋力低下、けいれん、不整脈などの症状を引き起こす恐れがある。また、ナトリウムの摂取量の過不足はさまざまな症状を引き起こし、血圧に悪影響を及ぼす可能性があるという。
電解質はどんな時に必要?
バランスの取れた食事を摂っていれば、電解質に関して問題はないといえそう。しかし、発汗、下痢、嘔吐によって大量の水分が失われた場合は、食べ物か電解質の粉末やドリンクを通じて電解質を補充する必要がある。いっぽう水分補給のために電解質パウダーやドリンクを常に飲む必要がある、という考えはよくある誤解だ。 「(電解質は)使われ過ぎていると思います。一日中オフィスに座っている人たちまでが、電解質のドリンクを飲んでいます」と、スティーブンスさん。「私はよくこう言います。汗をかいたらその汗を補う必要があります。オフィスや家で仕事中に汗をかいていないのなら、何かを補うために過剰に電解質を摂取する必要はありません」 電解質の粉末やスポーツドリンクの多くは多量のナトリウムを含み、砂糖も含んでいる。「これを一日中飲んでいると、速効性のある砂糖を過剰に摂取することになります」とスティーブンスさんは語る。「継続的に運動しているときに摂取するなら有益でしょう。しかし、一日中ただ座っているだけなら、補給の一部として電解質は必要ありません」