きのこのやさしいうまみがしみわたる「とり肉とまいたけの治部煮(じぶに)風」の献立
治部煮とは、石川県で江戸時代から親しまれている郷土料理。そぎ切りにした鴨肉やとり肉に粉をまぶし、季節の野菜と一緒に煮込んだもので、いまなお年間通じて食べられているそうです。 本来は小麦粉ですが、今回のレシピでは片栗粉を使い、淡泊なとりむね肉をジューシーに仕上げています。副菜と汁物で、とりむね肉から取ったとり皮も余すことなく使いきれちゃいます! 【画像を見る】とり皮は副菜に活用! きゅうりの食感との違いが楽しい「とり皮ポン酢」 秋から冬は、体が冷えたり胃腸がお疲れ気味になったりと、体調不良になりがちな時期。とり肉とまいたけのうまみが体にしみこむ一品で、がんばっている体をいたわってあげてくださいね。 ■「とり肉とまいたけの治部煮(じぶに)風」の献立 ■とり肉とまいたけの治部煮(じぶに)風 【材料・2人分】 とりむね肉…大1枚(約300g) 玉ねぎ…1個 まいたけ…1パック(約100g) だし汁…1カップ 片栗粉…大さじ2 バター…5g 砂糖、サラダ油…各小さじ1 しょうが汁…少々 しょうゆ、みりん 【作り方】 1.玉ねぎは縦半分に切って1.5cm幅のくし形切りにする。まいたけは大きくほぐす。とり肉は皮を除き、一口大のそぎ切りにし、しょうゆ、みりん各小さじ1、しょうが汁少々をからめる。(肉は下味保存OK) 2.フライパンにサラダ油小さじ1を中火で熱し、玉ねぎを強めの中火で焼きつける。しんなりしたらだし汁1カップ、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ1と1/2、砂糖小さじ1、まいたけを加え、ふたをして弱めの中火で約2分煮る。 3.とり肉に片栗粉大さじ2をもみ込み、2に並べ入れ、ふたをして中火にする。途中とり肉の上下を返し、4~5分煮る。バター5gを加えて火を止め、混ぜながら溶かす。 (1人分279kcal、塩分2.7g レシピ考案/舘野鏡子 栄養計算/スタジオ食) ■とり皮ポン酢 【材料・2人分】 とりむね肉のとり皮…1枚分 きゅうり…1本 ポン酢じょうゆ…大さじ1 とりガラスープの素、酒…各小さじ1/2 塩、こしょう…各少々 【作り方】 1.とり皮は2~3cm長さの細切りにする。きゅうりは斜め薄切りにして細切りにする。 2.鍋にとりガラスープの素、酒各小さじ1/2、塩、こしょう各少々、水2カップを入れて中火にかけ、煮立ったらとり皮を加えて約1分ゆでる。網じゃくしなどでとり皮を取り出し、粗熱をとる。きゅうりと合わせて器に盛り、ポン酢じょうゆ大さじ1をかける。 (1人分113kcal、塩分1.3g レシピ考案/舘野鏡子 栄養計算/スタジオ食) ■ちくわとにらのスープ 【材料・2人分】 ちくわ…2本(約48g) にら…1/2わ(約50g) 「とり皮ポン酢」のゆで汁、塩、こしょう 【作り方】 1.にらは3cm長さに切る。ちくわは斜め薄切りにする。 2.「とり皮ポン酢」のゆで汁の鍋を中火にかけ、煮立ったらアクを取り、にら、ちくわを加えて約30秒煮る。塩、こしょうで味をととのえる。 (1人分74kcal、塩分0.8g レシピ考案/舘野鏡子 栄養計算/スタジオ食) <手早く作るコツ> 3品の下ごしらえをすませ、メインを煮ます。煮る間にとり皮をゆで、ゆで汁でスープを作り、サブを仕上げて。 ■献立のポイント!とり皮 とり肉を買うと、身の部分に付いていることの多いとり皮。カロリーが高いことや食感への苦手意識からそのまま捨てる方も多いそうですが、ちょっと待って! とり皮はコラーゲンを豊富に含み、ビタミンAやK を多く含む優秀な食材なんです。ゆでて油抜きをしたり、カリカリになるまで炒めることでカロリーがカットできたり、くさみをとることもできます。冷凍保存も可能なので、ぜひ上手に活躍させましょう。 文=山上由利子