「シャネル」がお手本 2024-25年秋冬ファッションはベルトでウエストマークが旬
■「ベルトプラス」で意外感も 凜とした雰囲気に
本来のベルトはボトムスを固定する役目を担う「道具」です。 しかし、必要性の乏しい部分にあえて巻くことによって、意外感や動きが生まれます。引き締まったイメージや、凜（りん）とした雰囲気が備わるのも「ベルトプラス（装いにベルトを加えること）」の長所です。 同じニット素材のカーディガン、ジャケット、スカートでそろえた、異色の「スリーピース」です。正統派スーツのベストに代えてニット素材のカーディガンを組み入れたおかげで、全体がソフトなたたずまいに。 穏やかなニットの三重奏に、黒革のベルトを巻いて、スーツライクな「きちんと感」も添えました。 気負わない雰囲気の装いに、芯を1本通すようなベルトの使い方です。 サプライズ感を強めるには、本来のウエスト位置よりも少し高いポジションに巻くのがおすすめです。本来の役割から離れた一種のアクセサリーのような見え具合に。ウエスト位置が引き上がって見える錯覚まで生まれます。
■きらめきベルト、黒ルックを艶めかす
秋冬は「黒」を楽しめる季節です。 春夏には重たく見えがちですが、秋冬はダークカラーの出番。暑さを気にせず、レザーをまとえるのも秋冬ならでは。ダークカラーとレザーを兼ね備えた黒革系のベルトは、そうした着こなしの「横軸」になってくれます。 刺しゅうをあしらったトップスとハーフパンツのコンビネーションを、まばゆいベルトが仲立ちしました。 パンツの上にベルトを巻くのではなく、羽織物の上から巻く「外巻き」がグリッター（glitter、英語で「きらめき」などの意味）なベルトの印象を強めています。着映えが単調になりやすいアウタールックに取り入れたい小技です。 服にきらめきを持ち込むのはためらいがあるシーンでも、小物のベルトであれば、ワンポイント装飾として取り入れやすくなります。ダークトーンの服を補う意識でグラマラスなベルトを巻くことは、秋冬ルックを暗く見せないスタイリングの知恵です。
