能登転出超過4.8倍 6市町、1~7月で5266人減
●減少率輪島が最大7.6% 石川県が2日発表した8月1日時点の県内の人口と世帯の推計結果によると、能登半島地震の被害が大きかった能登6市町の人口は、1月1日時点から5266人減の11万4384人となった。減少数は前年同期比2・5倍。転出者数が転入者数を上回る「転出超過」は4・8倍の3446人となり、依然として能登からの人口流出が続いている。 7カ月間の人口の減少数を市町別で見ると、輪島が1662人で最も多く、七尾1281人、珠洲870人、能登602人、志賀470人、穴水381人と続いた。輪島は2万1903人から2万241人に減り、今後数カ月以内に2万人を切る可能性がある。 同期間の減少率は、高い順に輪島7・6%、珠洲7・4%、穴水5・2%、能登4・2%となり、七尾、志賀はともに2・7%だった。 7カ月間で6市町から転出した人は、前年同期と比べ2273人増の4921人となった。一方、転入者は前年同期比で456人減の1475人だった。 ●県人口110万人割れ寸前に 県内の人口は前月比482人減の110万16人。10月発表(9月1日時点)の人口は110万人を下回る公算が大きい。 前月との比較では16市町が減少し、輪島126人減、珠洲72人減、加賀64人減などとなった。増加したのは野々市(92人)、かほく(28人)、津幡(16人)の3市町だった。 7月中は出生者594人、死亡者1173人で579人の自然減となった。社会動態は転入者2958人、転出者2861人で97人のプラス。世帯数は53世帯増の47万5173世帯だった。 ●地元仮設入居、増減に影響せず 県の人口推計は、毎月、各市町に提出される出生届、死亡届、転入届、転出届の数を勘案して算出している。 県内外の避難者が応急仮設住宅に入るなど地元に戻る動きが本格化しているが、県によると、こうした人は住民票を被災前の住所から避難先に移していないのが一般的だ。このため、地元の仮設住宅に引っ越したり、元々の家に戻ったりした場合は、ほとんどが人口の増減には影響しないとみられる。 一方、アパートなどの民間賃貸住宅を仮設住宅とみなして、家賃を自治体が負担する「みなし仮設住宅」に入る場合は応急仮設などと比べると、住民票を移しているケースが多いとみられる。7月中の金沢は168人の転入超過となり、前年同月の18人を上回った。県は、現在も奥能登から金沢などのみなし仮設への入居申請が一定数あることが影響しているとみている。