辰巳琢郎、ハマり役の浅見光彦は「ある意味役作りをしなかった」 読者に選ばれ出演オファー「なるほど僕の役だ」
『くいしん坊!万才』は大きな財産
ドラマや映画に出演する一方、『連想ゲーム』、『たけし・逸見の平成教育委員会』、『辰巳琢郎のくいしん坊!万才』など多くのクイズ番組やバラエティ番組にも出演。驚異的な解答率で「芸能界のクイズ王」と称される。 ――『辰巳琢郎のくいしん坊!万才』と『たけし・逸見の平成教育委員会』は、同じ年(1991年)に始まったのですね。 「いえ、『平成~』は91年の10月に番組がスタートしていますが、僕が初登場したのは翌年の春なんです。『くいしん坊~』は、91年の1月から。“次のリポーターは都会派のくいしん坊に”ということになって僕の名前が挙がったと聞きました。 ただ、この番組もほとんど見てなかったんですよね。どこか天邪鬼(あまのじゃく)なところがあって、“他人がおいしいものを食べるのを指をくわえて見て、どこがおもしろいんだ!”と食番組は好きじゃなかったんです。 でも3年間、全国を歩き回ってたくさんのおいしいものを堪能することができました。すごく貴重な体験をさせていただいて、大きな財産になりましたね。すごく感謝しています」 ――とてもスリムですが、食事は1日1食だとか。 「そうです。基本的に日中は食べません。1日3食だとダメ。絶対太ります。その代わり夜は好きなものを好きなだけ食べることにしています。揚げ物と夜中の炭水化物はやめられません。ラーメンとかカツカレーとかもしょっちゅう食べています」 2001年、日本ソムリエ協会のソムリエ・ドヌール(名誉ソムリエ)に。長野県原産地呼称管理制度のワイン官能審査委員、「日本のワインを愛する会」会長を務めるなど、芸能界きってのワイン通としても知られている。 「ずっと続けていて大事にしている番組がふたつあって、『辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり』(BS朝日)と『辰巳琢郎の葡萄酒浪漫』(BSテレ東)。BSの番組ふたつとも、奇を衒(てら)わず、細く長く続けようというポリシー。低予算で頑張っています。 リフォームの番組は、何度か途切れてますが、スポンサーや放送局、タイトルを変えながらも同じコンセプトで足かけ25年になります。 リフォームしたお家を訪ねて、それをリポートするという番組。SDGsという言葉が作られるずっと前からサステナビリティや環境という言葉を念頭に置いて番組作りを続けてきました。日本人は元々そうなんですよ。ものを大事にする。 スクラップアンドビルド(古くなった建物などを壊して最新の建物に替えること)ではなく、家族の記憶の残っている家を住み継ぐ。繋いでいくって美しいと思いませんか? 人間だけじゃなく生きとし生けるものは総(すべ)て限りある命をどういう風にして後に繋いでいくかがテーマ。そういうのにすごく興味があって、そんなことを番組を見てふと感じていただけるとうれしいですね。 ワインの番組のほうは、タイトルや放送局が変わってもまったく同じフォーマットで途切れず続いています。丸18年になりました。日本の農業、第1次産業を応援しようというのと、地域振興というか、地方を活性化する、このふたつがワイン番組の隠れテーマなんです。 どちらの番組も自分で直接スポンサーさんにお願いしてやっています。感謝しかありません。テレビの業界はどうしても目先というか、数字でどんどん動いてしまう。でも視聴率は低くてもちゃんと見てくれる人は見ているわけで、そこを理解していただけてるのはありがたいことです」 ――企画プロデュース能力も知名度もあるのでいろいろなことができるでしょうね。 「どうでしょうか。ただ、良い出会いがたくさんあったことは確かです。運がいい。基本を大切にというか、ただ売れればいいっていうものじゃないところで生きていきたいみたいなところがちゃんと伝わっているんだと思います」