噂のインド生産の新型SUVが今秋上陸つーわけで、先行試乗!! スズキ「フロンクス」は日本でも売れるか?
――インド生産のモデルなのに、日本のニーズにも合っていると。試乗した感想は? 渡辺 インドのウェブサイトで外観を見たときは、少し安っぽく感じましたが、実車は意外に上質でした。フロントマスクも丁寧に造り込み、インパネの周辺をはじめとする内装にはステッチ(縫い目)も入ります。いわゆる新興国向けの安価な商品ではない。 ――居住性は? 渡辺 全長を4m以下に抑えながら車内は十分広い。身長170㎝の大人4人が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシふたつぶんの余裕がある。カローラクロスなど、全長4.5m前後のSUVに相当する広さです。 ――室内が広い理由は? 渡辺 開発者によると、インドでは4人乗車のニーズが多く、後席の広さと座り心地が重要になるそうです。ちなみにホンダのWR-Vもインド製のコンパクトSUVですが、やはり後席が広い。 ――走りはどんな感じ? 渡辺 パワーユニットは、1.5リットルエンジンを使ったマイルドハイブリッドです。4気筒なので3気筒のような粗いエンジンノイズも発生しません。車両重量が1070㎏と軽く、SUVとしては重心が低いため、スポーティなハッチバックに近い感覚で運転できるのが特徴です。 ――乗り心地はどうですか? 渡辺 タイヤが路上を跳ねるような粗さは感じませんが、細かなデコボコを伝えやすく、段差の通過で少し突き上げがある。試乗する際は要チェックです。 ――お値段を予想すると? 渡辺 試乗する前は、ライバル車はトヨタのライズだと考えていました。全長が4m以下と短いからです。しかし内外装の造り、ボディサイズの割に広い後席、乗り心地などから判断すると、機能や質感はヤリスクロスを上回っており、その上に位置するトヨタのカローラクロスに近い。なので、おそらく価格は249万円ぐらいかと。 スズキによると、「円安の関係で200万円以下で販売するのは難しい」とのこと。だからといって250万円を超えたら、どんなに優れた商品でも堅調に売るのは困難です。従って249万円程度を予想します。 ――ライバル車はどれ? 渡辺 WR-Vで装備を充実させたZ+は価格が約249万円、ヤリスクロスのノーマルガソリンエンジンを搭載するZは約243万円です。これらの車種がライバル車になるかと。 ――日本でも売れますかね? 渡辺 フロンクスの日本市場の評価と売れ行きは価格次第だと思います! 撮影/山本佳吾