オシム氏 コートジボワール戦の鍵は本田
元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が、このほど著書「信じよ!-日本が世界一になるために必要なこと」(KADOKAWA刊)を緊急出版した。その中でザックジャパンがワールドカップをいかに戦うべきかというオシム流の攻略方法を明らかにしている。今回、THE PAGEでは、オシム氏サイドの許可を得た上で、初戦の対コートジボワール戦に関する項の一部を紹介する。 ■オシム氏 キープレーヤーは4人 オシム氏は、同書にて、コートジボワールを「選手の個の部分が非常に強いチームだ。ディディエ・ドログバに代表されるように個々の選手一人ひとりが強烈な能力を持っていて、そういう優れた選手の多くは、ヨーロッパのクラブでプレーしている。プレースタイルの点では、彼らは身体的に強く、動きも敏捷で、個々の選手がクオリティの高いプレーをする。ヤヤ・トゥーレ(30歳、FCバルセロナ→マンチェスターシティ)ら、アカデミー出身の黄金世代が、年齢的に30代に入ったが、チームとして、まとまれば対抗するのはむずかしくなる」と、高く評価した上で「日本が警戒すべき選手が何人か存在する」と、ドログバ、ヤヤ・トゥーレ(31歳、マンチェスター・シティ)、ジェルヴィーニョ(26歳、アーセナル→ASローマ)、サロモン・カルー(28歳、チェルシー→リール)の4人の名前を挙げた。 ■ドログバではなくヤヤ・トゥーレに仕事させない 具体的な対コートジボワール戦略としては、「私なら、ドログバではなくボランチのヤヤ・トゥーレに仕事をさせないようにすることを戦略の中心にするだろう。彼がフィールドの中央を独占するような展開になれば問題が大きくなるのだ。しかし、日本が彼に自由を与えなければ、トゥーレは、日本の攻撃の動きを抑える守備的な仕事に追われ、効果的には動けなくなる。本田や香川など、機敏で運動量の多い選手を追うことになれば、多くのエネルギーを奪われる」と分析している。おそらく、執筆段階では、3年連続でアフリカの年間最優秀選手賞を受賞しているヤヤ・トゥーレが右足の故障で日本戦の出場が微妙な状態にあるという情報が入っていなかったのだろう。オシム氏が、ここまで警戒する司令塔がもし日本戦に間に合わないならば、ザックジャパンに大きなアドバンテージになることは間違いない。またオシム氏は、対コートジボワール戦についてのキープレーヤーとしては、なかなか本来の調子に上がってこない本田圭佑の名前を挙げた。