増えてます!子どものスチーム式加湿器のやけど。吹き出し口で90℃、倒して熱湯がこぼれ出ることも!【専門医監修】
子どもが触らない安全対策が必須
スチーム式加湿器を使うときは、子どもが触らないようにすることが第一です。柵で囲うなど安全対策をとりましょう。子どもの手の届かない場所に置いても、コードやテーブルクロスなどを引っ張って落とす危険がないか、そばに踏み台になるようなものがないか確認してください。
やけどをしたら、流水でしっかり冷やす!衣服の上からのやけどなら脱がさない
万一子どもがやけどをしたときは、すぐに次の対応をしましょう。 ■1)5~20分、流水でしっかり冷やす 衣服の上からやけどをした場合は、無理に脱がさなくて構いません。乳幼児は、冷やし過ぎると低体温症になりやすいので、子どもの様子をよく見ながら冷やしてください。顔色が悪い、元気がない、ぐったりし始めたときは、冷やすのをやめてすぐに受診しましょう。 ■2)流水で冷やしながら、至急受診が必要か判断する 次にあげるやけどの程度を参考に、「診察時間外でもすぐ受診」「救急車を呼ぶ」など判断しましょう。
知っておきたい受診の目安。救急車を呼んだほうがいい場合とは?
軽いやけどだと、家庭でケアする場合もあると思います。しかし自己判断で、ガーゼなどで患部を覆うと皮膚がむけてしまうことも。軽症でも、皮膚科で処方された薬(ステロイド外用薬)を塗ったほうが、痛みが早く和らぎます。 ■「診察時間外でもすぐ受診する」の目安 □やけどの範囲が、子どもの手のひらより広い □水ぶくれがある □皮膚がジュクジュクしている □顔、関節、性器をやけどしている ■「救急車を呼ぶ」の目安 □やけどの範囲が、大人の手のひらより広い □やけどした部分が黒い・白い □口のまわりをやけどしている □いつもと呼吸が違う・呼吸が苦しそう ■「診察時間内に受診する」の目安 □やけどの範囲が、子どもの手のひらより狭くて、赤くなっているだけ
後悔しないためにも、スチーム式加湿器の使い方を見直して
子どものやけどは、安全対策をしっかりすればほとんどが予防できます。重症のやけどでなくても処置には痛みを伴いますし、やけどの痕を見るたびに子ども自身も、ママ・パパも胸を痛めます。そのためスチーム式加湿器の使い方をあらためて見直してください。 ■記事監修 池山由紀先生 | あいち小児保健医療総合センター救急科医長 東京都立小児総合医療センター 救命救急科などを経て現職。日本小児科学会専門医、日本救急医学会 救急科専門医、PALSインストラクター。日本小児科学会小児救急・集中治療委員会メンバー。
取材・構成/麻生珠恵