劇中車の主役はランボルギーニ・カウンタック! エンタメ要素満載のカーアクション映画「キャノンボール」が類まれな名作である理由
1960年代後半から1970年代半ば、ベトナム戦争や公民権運動、カウンターカルチャーなど揺れ動く社会のなかで、不平や不満、政治に反体制的なメッセージを送り続けたアメリカン・ニューシネマが台頭。
そういった側面がキャノンボールにもスクリーンを通じほんのり香るのがこの作品の色褪せない魅力なのかもしれませんね。だからランボルギーニ・カウンタックが必要不可欠。
ランボルギーニというブランドは、伝統あるフェラーリに対する反骨の象徴。ミウラに続くミッドシップカーのカウンタックは、若くして才能にあふれたパオロ・スタンツァー二とマルチェロ・ガンディー二が既成概念を打ち破り完成させた名車です。様々な要素が映画とともにリンクします。
映画では同車を操る美女コンビはキャノンボール2でスーザン・アントン&キャサリン・バックに変わりますが、ブルック・シールズも登場し「ブルックスではなく、ブルックよ、お間違いなく」と本人にいわせるあたり、脚本にも参加したハル・ニーダム監督の手腕が光りますね。多くの方に映画を見てもらうにはエンタメ要素もまた必要不可欠。
それはさておき、リアルのワイはキャノンボールで見事カウンタックを捕まえた女性保安官が誰なのか? いまだ調べ続けるもこの女優さんが誰なのかわかりません。こうなりゃエンディングロールで探さなきゃなんですが、毎度NGシーンに見入ってしまい万事休す。
皆さんもお好きな尺度で、あらためてキャノンボールをご鑑賞されてはいかがでしょうか。レイ・スティーブンスのサウンドトラックが脳内であふれだしたらどんなクルマに乗ろうとも気分は急上昇。くれぐれも鑑賞直後のドライブはお気をつけください。ではまた! Text:Seiichi Norishige
教重 誠一