DAOの第一人者で弁護士の29歳が四国で「革命」──DAOで日本再生はリアルか、幻想か?
日本のDAO✕地方創生に驚くドイツ人起業家
一方、欧州では、実存する金融資産をトークン化する取り組みが最も注目されているブロックチェーンのユースケースで、「DAOを活用して地域経済を再生・活性化しようとする日本の動きはユニークで、興味深い」と話すのは、スイスのスタートアップNMKRのCEOで、ドイツ生まれのパトリック・トブラーさん。 NMKRは、実存する資産(RWA=Real World Assets)のトークン化に関連する事業の他に、NFTの発行インフラやDAOの運営に必要なブロックチェーンツールを提供している。1日のイベントに参加したトブラーさんは、NMKRが開発したサービスの一部を披露した。今後、DAOの増加が予想されるなか、日本市場における事業拡大を図っていくと話す。 「日本発のDAOが国境を超え、グローバルコミュニティを形成するまでに拡大し、ブロックチェーンの代表的なユースケースの1つになれば、合同会社型DAOはさらに注目されるようになるだろう。今後も日本市場を注視していきたい」(トブラーさん)
マックさんが考える2050年の世界、人の精神的な発達
人、社会、地球の生態系、テクノロジーがそれぞれ進化・変化を続けるなか、テクノロジーは最も速いペースで発達してきた。2050年の世界を考えたとき、人は少しでも早く精神的な発達(自己中心性からの脱却)を遂げ、他者との関わりを深め、多様性に慣れ、紛争を抑えられる平和的な社会を築いていく必要があると思うと、共創DAOのマックさんは話す。 「AIやブロックチェーンなどの革新的技術と人をDAOがつなぎ、平和的なつながりを促す行動に対してインセンティブ(報酬など)を与えるコミュニティ(DAO)を作っていきたい。もちろん、つながりを最重要視したコミュニティ活動と、衣食住に関係するリアルな経済活動をコネクトさせていく」と、法律に加えて、文化人類学を大学在学中に学んだマックさんは言う。 東京を除く日本のほとんど全ての地域が直面している大きな課題に対して、微かな希望がある限り、解決に向かう可能性はあると、マックさんは考える。 「世界を変えることができるのは個の集団であり、そのコミュニティを自律分散型のコンセプトでテクノロジーを最大限に利用して、進めていきたい」 |取材・文・写真:佐藤 茂|トップ画像:6月1日、高松市内で開かれたイベント会場でインタビューに応じる本嶋 孔太郎(通称:マック)さん
CoinDesk Japan 編集部