【オリエント工業が事業撤退】「人形」と不倫した48歳夫 アパートを借り重ねた逢瀬…知った妻の“ドン引き”
妻との溝は埋まらず
翌朝、起きると美結さんがいた。なんと言うこともないごく普通の日曜日の朝だった。 「妻は僕の目を見ないまま、おはようと言いました。僕もおはようと言った。どこに行っていたのかと聞きたいけど聞けなかった。本当は聞いたほうがよかったのかもしれない」 どこに泊まったのかを聞けなかった彼と妻との間に、決定的な距離ができた瞬間だった。それ以来、今に至るまで何事もなかったかのように暮らしているが、妻とはほとんど会話らしい会話を交わしていない。子どもの学校の行事や、再来年受けるかもしれない私立中学のことだけは業務連絡のように妻から言葉が飛んでくる。 「たとえば息子の学校の運動会がいついつある、と。何か演し物に参加できるのかな? と言うと、『さあ、聞いてみたら』とだけ返ってくる。先日も、息子を映画館に連れていく約束をしたから、一緒に行こうと言ったら『私はいい』。もっと話したいですよ、でも妻は全身で拒んでいる。僕が1泊で出張したら、その間に寝室を別にされてしまいました。それが妻の気持ちなのだと思うしかありません」 ふたりのゆっこさんは、今も変わりなく、狭くて古いアパートで祥平さんを待っている。 【前編】では、祥平さんが“ゆっこ”と出会うまでの経緯を、詳しく紹介している。 デイリー新潮編集部
新潮社