鈴鹿央士&松本穂香の関係はどうなった? 2人の距離感にしっくりきたワケ。『嘘解きレトリック』最終話考察レビュー
鈴鹿央士&松本穂香がW主演を務めるドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)が完結を迎えた。本作は、借金まみれの貧乏探偵とウソを聞き分ける能力者の異色コンビによる、レトロモダン路地裏探偵活劇。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】鈴鹿央士&松本穂香の関係性に胸キュン…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ 『嘘解きレトリック』劇中カット一覧
”嘘”の解釈がだんだんと変わっていく…。
多くの人は、人生のどこかのタイミングで「嘘をついたらダメよ」と言われた経験があると思う。“嘘つきは泥棒の始まり”という言葉もあるくらいだし、「嘘=悪」というイメージは、わたしたちの頭のなかに植え付けられている。 筆者も、小さなころは正直であることこそが善だと信じ込んでいた。しかし、大人になると、お世辞や社交辞令という名の嘘をつくことを求められるようになる。 そして、それができないと、「あの人は、人付き合いが下手だよね」なんて後ろ指をさされてしまう。だから、“嘘も方便”と自分に言い聞かせて、物ごとを円滑に進めていくために嘘をついている人も多いのではないだろうか。 ついに、最終回を迎えた『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)。全11話を通して、自分のなかの嘘の解釈がだんだんと変わっていくのを感じた。 さまざまな嘘を取り上げてきたなかでも、序盤は打算や悪だくみ、保身のためにつく悪い嘘が多かったように思う。しかし、終盤に近づくにつれて、この世界はたくさんの優しい嘘で成り立っていることに気づかされた。 鹿乃子(松本穂香)は、「人は、どうして嘘をつくんだろう。もしも、誰も嘘がつけなかったら、今より幸せなのか、苦しいのか?」と言っていたが、誰かを守るための優しい嘘なら、ついてもいいのではないか? と思うようになってきた。
蘭子(加藤小夏)がついた優しい嘘
「何もかも思いどおりになるなら、誰も嘘なんかつかない。思いどおりにならないものを、思いどおりにしようとしたとき、嘘をつく」と左右馬(鈴鹿央士)も言っていたが、本当にそのとおりだと思う。 嘘をつく人のなかには、“こう思われたい”という願望が潜んでいるわけだが、その願望がマイナスの力を持っていると、嘘をつく方もつかれる方もしんどくなってしまう。どうせ嘘をつくのなら、周囲を幸せにするような優しい嘘をつきたい。 最終話に登場した蘭子(加藤小夏)がついたのも、優しい嘘だったように思う。「行き場所も、お金もなくて困っていたら、祝探偵事務所の大家に会い、事務所に住んでいいと言われた」と、左右馬のもとに突然押しかけてきた蘭子。 しかし、彼女が自分のパーソナルな情報を話すたびに、鹿乃子の耳には金属を叩いたようなキーンとした音が鳴り響く。彼女は、一体何者なのか…。 蘭子が、「あの人の心が、わたしのものじゃなくても、そばにいられるだけでいいって思ってたんだけどね」と切なそうに語っているところを見た鹿乃子は、失恋をして家出をしたのではないか?と推理をする。 その推理は、見事に的中。身寄りがなく、幼いころから槇原家で住み込みの女中をやっていた蘭子は、その家の令嬢・鈴乃(兼光ほのか)と、本物の姉妹のように育ってきたらしい。しかし、蘭子は鈴乃と柾(福山翔大)の結婚を知って、何も言わずに姿を消してしまった。 すると、「蘭子も柾のことが好きだったのかもしれない…」と不安になった鈴乃が、「蘭子さんが苦しむくらいなら、柾さんとの結婚をやめる」と言い出した(鹿乃子の耳に嘘の音が聞こえなかったため、本音だったのだろう)。