黒澤明監督の孫・秀之さんが結婚 出会いから約1年でゴールインのワケは「黒澤家流のファミリーの形」にあった
黒澤家流の“ファミリーの形”
黒澤家は3人兄弟で、秀之さんと兄の隆之さん、弟の爽さんのいずれかが一日も欠かさず和子さんを見舞い、3兄弟がそろったら、隆之さんの妻に里穂さんも交えた5人で行動を共にした。「近くの人がみんな寄ってくるファミリーの形が黒澤家の伝統」(秀之さん)なのだそうである。 昨年9月の里穂さんの誕生日。隆之さんは秀之さんに箱根への1泊旅行を勧め、入籍も後押しした。隆之さん自身も新婚で、秀之さんに「お前も早くしろ。不動産のいい物件が動くのは3月、4月。見つけるのは大変だぞ」と指南したそうだ。 この言に従って二人は部屋を探しつつ、入籍直前の5月の日曜日、思い出の木村ピーナッツに再び赴いた。秀之さんは「今さらだけど結婚してくれますか」。里穂さんは、 「はい、喜んで!」 和子さんの回復を第一に願いつつ、秀之さんは「結び付きの強い、愛に溢れるファミリーをつくりたい」。美大卒の里穂さんは、時代劇の衣装に古びた表情を与える“汚し”の作業なども手伝い、「二人で一緒に仕事ができたら」と話す。 二人から結婚の報告をされたベッドの上の和子さんは反応を示したという。夫婦は今、改めての報告を楽しみにする毎日だ。
「週刊新潮」2024年8月15・22日号 掲載
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