パタゴニアが従業員41人をレイオフ、次の50年に向けた「事業改革」を開始（海外）
新しい構造
今回のレイオフは、パタゴニアの事業変革と将来の成功を確実なものにすることを目的とした、より大規模な企業再編の一環にすぎない。 「（カリフォルニア州の）ベンチュラと（ネバダ州の）リノのオフィス全体で、役割が変わりつつある。新しい役割が作られ、一部は廃止され、多くの役割は進化している」とゲラートは社内メールで従業員に伝えた。 同社は、今後の重要な分野として、より高品質な製品の開発、ストーリーテリングの強化、そして草の根活動や責任あるビジネス慣行を通じたより大きな影響力の創出という3つを挙げた。 新しい組織体制のもと、これらの目標を達成するためにチームが新たに作られ、他のチームと統合された。ゲラートはスタッフに対し、今後数日、数週間、数カ月かけてさらに詳細が明らかになることを期待してほしいと述べた。
財政難
従業員にはリストラの背景にある理由をまとめた社内FAQも提供されており、Business Insiderはそのコピーを入手した。 パタゴニアはその文書の中で、今回の変更は、財務上の理由だけを考慮した決定ではないと述べているが、同社は「我々は想定しているほど利益を上げておらず、（需要の低下やコストの上昇などの）市場の課題による影響をこれ以上吸収し続けることはできない」と認めている。 もちろん、売上減少という課題に直面しているブランドは、パタゴニアだけではない。コロナ禍後に起こったショッピングブームの後、アメリカの消費者は支出を減少させており、小売業者は軒並み苦境に立たされている。 今後90日間は、パタゴニアがコストを削減し、「今日の動的な市場」において、競争力を維持し進化するための「重要な移行期間」となるだろうとFAQには記されている。
前回の教訓
パタゴニアは持続可能性において実績のある企業として知られている。 一方で、同社は従業員の福利厚生を守っており、労働者を機械の歯車とみなす従来の企業姿勢を否定する「ステークホルダー資本主義」という経営理念を採用している。 パタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナード（Yvon Chouinard）は、自身の著書『社員をサーフィンに行かせよう（Let My People Go Surfing）』の中で、1991年の一連の人員削減を「同社史上最も暗い日」と記していた。 「レイオフはどの会社にとっても喜ばしいことではないが、我々にとって、その考えはほとんどあり得ないものだった」とシュイナードは語っている。 パタゴニアはレイオフはめったに行わない企業だが、2024年6月にCX担当の従業員90人に国内転勤か退職かを3日以内に選ぶように命じ、従業員から批判を浴びた。同社が確認したところによると、転勤を選んだのはわずか4人だったという。
Polly Thompson
