あなたの年金給付額はどうなる? 「サラリーマンが損をする」は本当? 年金制度改革で知らないと損をするポイント
「制度が崩壊する可能性」
社会保険労務士の井戸美枝氏は、 「調整期間が終われば、物価や賃金の上昇と同じように年金も上がっていきます。つまり、調整期間である36年までの年金受給者に影響があるということです。逆に調整期間終了後に年金を受給し始める人は目減りがなくなるわけで、実は今の若者にとって益のある話なのです」 と語る。一方、北村氏は年金制度の将来を懐疑的に見ている。 「今の基礎年金は満額で月6万8000円。かたや生活保護では単身者で月11万円程度もらうことができます。国民年金だけでは暮らせない人が生活保護を選択するようになれば、国の支出はさらに増えていきます。せめて生活保護の支給金額くらいには基礎年金を上げないと不公平ですし、年金制度自体が崩壊する可能性すらはらんでいます」 後編【「年金で豊かな生活が送れるとは思わない方がいい」「年金カットを避ける“裏ワザ”は」 制度改革であなたの年金給付額はどうなる?】では、年金カットを避ける裏ワザや、繰り上げ給付と繰り下げ給付ではどちらがお勧めなのか、という点などについて詳しく紹介している。 「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載
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