「じゃあ、俺はそれ以下なのか...」元鳥栖FW二田理央、オーストリア2部での苦悩を吐露「うまくいかないことが多い」【現地発コラム】
「練習でやれていることが試合ではできていない」
シーズンが進むにつれて、相手チームもザンクトペルテンのサッカーを研究してくる。1部昇格を狙うザンクトペルテンは2部において優勢的に試合を進められるチームだ。自然相手は引いてじっくり守るようになる。ゴール前に人をかけて守る相手に対して、ザンクトペルテンは攻め手を失ってしまう。チームは思うように勝ち星を重ねることができず、二田も自分の良さを消される流れを変えることができないでいる。 ホルン戦もボール保持こそできるものの、攻めあぐねてチャンスが作れず。逆にカウンターからあっさり失点を重ねて0-2で敗れた。 「練習でやれていることが試合ではできていないと監督は(試合後の)ミーティングで話していました。チャンスもあって、やっぱ決めきれないと、ズルズルいってやられてしまう」 16節終了時で、他の上位チームより消化が1試合多いにもかかわらず、暫定4位という戦績は昇格を目標としていたクラブとして満足いくわけがない。首位のグラーツァーAKとの勝点差は11。忸怩たる思いを二田も抱いていることだろう。 「シーズン通してうまくいかないことが多いです。自分からしたら難しくて、大変な感じで、苦しい時間だったんで。ただこれが自分の今の実力でもあります。そこは認めるしかない。でも、自分ならできるっていう自信はもちつつ、練習からもっとやるしかない」 シーズンはまだ終わっていない。チームでは33歳ベテランFWのダリオ・タディッチを除いてほかのFW陣もそこまで結果を残せているわけではない。アピールのチャンスはまだ残されているし、サッカーではちょっとのきっかけで自分らしさを取り戻すことだってできるのだ。二田がその序列をあげることは十分に可能なのだ。 考えすぎたら身体は動かない。やるべきことを整理して、気持ちを込めてプレーをし続ける。下を向いている暇はない。前を向いて、駆け出して、戦って、ゴールを目指す。結果はきっと、あとからついてくる。 取材・文●中野吉之伴
【関連記事】
- 「なぜ日本に1-6で大敗したチームが決勝に進めたのか」韓国を撃破したヨルダン戦士たちの回答は?「日本は強かった。だけど...」【現地発】
- 「言ったなぁと思いますけど」内田篤人、イラン戦後の守田英正の発言に見解「選手の感覚とか意見はすごく大事」
- 韓国人記者は「日本とは違うんです」 6試合でなんと716分間プレーしたソン・フンミンとイ・ガンイン。指揮官は温存策を取れなかったのか【現地発コラム】
- 【森保ジャパン26選手の通信簿】まさかのベスト8敗退。A評価は2人にしか与えられない。“最低のD”だった3人は?[現地発]
- 「最終兵器」を披露できずに終戦した森保ジャパン。対戦国が震撼するはずだった“同時起用”は実現しなかった【担当記者コラム】