OpenAIが9700億円を調達し評価額「23兆円」に、エヌビディアやソフトバンクが投資
急成長を遂げている人工知能(AI)企業のOpenAIは10月2日、66億ドル(約9670億円)の新たな資金調達ラウンドを終え、評価額は1570億ドル(約23兆円)となったと発表した。同社の評価額は、今年2月以降にほぼ2倍に上昇している。 この66億ドルの新たな資金は、OpenAIのAI研究やプロダクト、サービスおよびコンピューティング能力の強化に割り当てられると同社は述べている。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によるとOpenAIは、スライブ・キャピタルやソフトバンク、エヌビディア、さらに以前からの支援者であるマイクロソフトから資金を受け取った。マイクロソフトは約10億ドルを出資したとされる。 OpenAIの新たな評価額の1570億ドルは、2月時点の評価額の約800億ドルのほぼ2倍に達したとニューヨーク・タイムズ(NYT)は報じた。今回の調達ラウンドの投資家は、OpenAIが非営利団体から営利企業への移行を完了しなかった場合は、投資を取り戻すことができるとWSJは伝えている。 スライブ・キャピタルは、トランプ元大統領の娘婿で元上級顧問のジャレッド・クシュナーの弟であるジョシュ・クシュナーによって設立され、運営されている。彼の推定保有資産は38億ドルとされている。 OpenAIのCEOのサム・アルトマンは、同社の営利企業への転換が行われた場合に、同社の株式の7%を受け取ると報じられているが、その持ち分は最新の評価額とともに11%に増加する可能性がある。 OpenAIの評価額は昨年290億ドルに達して以降、その4倍以上に上昇しており、従業員数も今年に入り1000人から1700人に増加したとNYTは報じている。AIブームの最前線に立つ同社は、マイクロソフトなどのハイテク大手から継続的な支援を受けている。OpenAIの初期投資家であるマイクロソフトは、2019年以降に少なくとも130億ドルをOpenAIに投資している。 OpenAIの非営利組織から営利企業への転換は、同社がサービスや収益を拡大する中で注目を集めている。同社は、今年の売上高を37億ドル、損失を約50億ドルと見込んでいるとNYTは報じている。営利企業への転換は、より多くの投資家を引き付ける可能性があるが、このプロセスには数年がかかる可能性があるとWSJは指摘した。
Antonio Pequeño IV