道路標識に表示されている「バス」に年式が定められていたってマジ!?
■○○年式だった!!道路標識の中のバス
日本に道路標識と呼べるものが初めて立てられたのは、1922(大正11)年と言われている。その後、大きな動きがあった年に、1942(昭和17)年、1950(昭和25)年、1960(昭和35)年が挙げられる。 なかでも1960年は現在の道路交通法が制定された年で、それに併せ、今日も使われている道路標識のフォーマットが固まり始めたのも、この年からだ。 それなら例のバスのシンボルも1960年に決まったのか、と思いきや、60年時点でバスの標識はまだ出てこない。 もう少し時間を進めてみると、1963(昭和38)年に登場した「大型乗用自動車通行止め」の標識に、現在とほぼ同じ姿形のバスが描かれているのが確認できた。 どうやら起源はこの標識で間違いなさそう。とどのつまり、道路標識のバス車両は「1963年式」だったわけだ。ちなみに、近年レストアして復活を遂げた旭川電気軌道の6輪バス、三菱MR430は1963年式だ。
■それだけでは終わらなかった
このテーマはこれで完結に思えた。ところが撮り溜めたバスの道路標識を見比べているうちに、形の違うバスが描かれているのに気づいた。 今度は専用通行帯や、優先通行帯の標識に出てくるタイプで、1963年標識のバスよりも丸みがやや強く、前面と前輪の間隔がより短い。バス窓風表現は共通だ。 ではコイツがデビューしたのはいつだったのか……より古いのか新しいのか、丸みが強いからと言って古いわけではなく、初登場は1971年だった。専用/優先通行帯の標識のバスは1971年式か。
■標識の中のバス車両は現状4種類?
さらに、まだ2種類あった。一つはバリアフリー関連の案内表示にも使われる、バスのピクトグラムとほぼ同じもので、バス専用レーンなどを示す標識に描かれている。 もう一つは、許可車両専用の道などに立てられている標識用。こちらもバリアフリー関連のピクトグラムとよく似ているが、ホイールの表現があるのが特徴。 この2点が制定された年を辿ってみたところ、前者が2000年、後者は2020年であった。意外と新しい"年式"のバスも、知らないうちに投入されていたわけだ。 道路標識に描かれたバスの形は現状4種類あるようだ。ところが、1971年制定のバスのシンボルと基本的には同じであるが、バス窓の表現がないタイプを後日見つけてしまった。 細かいバリエーションを含めると、何気にすごく奥が深いテーマなのかも……。