シリア 反政府勢力指導者・ジャウラニ氏が“勝利宣言” アサド大統領、ロシアへ亡命か
日テレNEWS NNN
親子2代、シリアで約50年続いたアサド政権が崩壊しました。アサド大統領はシリアを出国し、ロシアへ亡命したと報じられています。 ◇ シリアで反政府勢力が大規模な攻撃を始めてから10日あまり。反政府勢力は8日、首都ダマスカスを掌握。 市民 「うれしい気持ちだよ。生まれてから悲惨な事ばかりの、ひどい政治制度だった。やっと解放だよ」
市民 「この独裁者(アサド大統領)は多くの国民を殺しました。みんな息もできなかった」 親子2代、50年あまり、シリアで独裁体制を敷いてきたアサド政権が崩壊しました。シリアを29年間支配した父の死去を受け、2000年、政権を握ったアサド大統領。秘密警察を使い市民を監視し、拷問を行うなど世界有数の独裁体制を築いてきました。
8日、シリアを脱出したと伝えられたアサド大統領。主を失った大統領の邸宅には市民らが次々と押し入り、調度品や家具などを持ち去りました。 反政府勢力の進軍とともに、シリア各地の刑務所ではアサド政権下で捕らえられていた人々が、次々と解放されました。 今回、反政府勢力の中核的役割を果たしたのは「シャーム解放機構」。指導者ジャウラニ氏は、ダマスカスのモスクに入ると、歓声で迎えられました。
シャーム解放機構 指導者 ジャウラニ氏 「兄弟よ、この勝利はイスラムの歴史の新たな幕開けだ。この地域にとっての転換点となる」 勝利を宣言したジャウラニ氏。しかしアメリカは、このジャウラニ氏を「テロリスト」と指定。最大1000万ドル(約15億円)の懸賞金をかけています。 さらに「シャーム解放機構」も、多くの国からテロ組織に指定されているほか、政権打倒には別の反政府勢力も加わっていて、今後のシリアを誰がどのように統治するのかは不透明です。 シリア出国後、行方不明となっていたアサド大統領。その後、家族と共にモスクワに到着し、人道的な配慮から、ロシアへの亡命が認められたと報じられています。