帝京大を大敗から復活させた男はスクール☆ウォーズの「泣き虫先生」の孫 深紅のジャージーで大学日本一まであと2勝
祖父はスクール☆ウォーズの「泣き虫先生」
小村は大阪府出身。祖父は、TVドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルとなった伏見工業(現・京都工学院)の監督(現・総監督)で知られる元日本代表の山口良治氏だ。 その影響で、当時小学校1年だった兄・健太(現・レッドハリケーンズ大阪)とともに、3歳から大阪工大ラグビースクールで競技を始めた。 「おじいちゃんにはよく試合を見てもらっています。小さい頃から、一緒に街を歩いているとよく声を掛けられていたので、すごい人なんやなっていうのは知っていましたし、昔はちょっと怖かったですね(苦笑)」 ラグビーと同時に、小学校でミニバス(バスケットボール)を始めて、平日は2~3日バスケット、週末はラグビーという生活を送っていたが、ラグビーの強豪として知られる大阪の菫中学に入学すると、ラグビーを選んだ。「バスケットボールよりもラグビーの方が真剣にできていたので、中学に入ったらラグビーに専念することを決めていました」。帝京大でチームメートのFL倉橋歓太(4年、東海大大阪仰星)は中学の同級生だ。 SOだった小村は大阪府選抜に選ばれ、全国ジュニア大会ではキャプテンとして、帝京大キャプテンFL青木恵斗や早稲田大キャプテンHO佐藤健次(いずれも4年、桐蔭学園)らのいる神奈川県選抜を下して優勝し、優秀選手にも選ばれている。
高校はNZ留学 「将来は日本代表に」
世代トップの選手だった小村は多くの強豪高校から声がかかったが、兄がハミルトンボーイズ高校に留学していたこともあり、兄にならってハミルトンボーイズ高校に入学した。「ラグビーの環境面もすごく良くて、日本の高校よりも魅力的に映りました」 大学は日本に戻ってきてプレーしようと思っていた小村は、ウェートルームなどの環境面を考慮して、やはり兄と同じ帝京大に進学を決めた。そして1年から試合に出るようになり、2年、3年時は対抗戦、そして大学選手権の優勝に貢献した。 「自分で仕掛けるタイプの選手が好き」という小村は、元オーストラリア代表SOクウェイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ)が憧れで、今は元ニュージーランド代表SOリッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)のプレーもよく見るという。チーム事情で大学では主にバックスリーとしてプレーしてきたが、来春から進むリーグワンではSOに専念する方向でいる。 「将来は日本代表に選ばれたいですね。15番も好きなので、そこまで10番にこだわっているわけではないですが、リーグワンにはいろんなポジションに世界のスター選手がたくさんいるので、学べることが多いと思っています」