マイコプラズマ肺炎の大流行等で…抗生剤などの『薬不足』が深刻に インフルエンザ流行で需要が増える恐れも
大橋さん: 「血圧の薬が本当にダメになっちゃった。『サンド』というメーカーを使っていたんですけど、こちらの『TCK』というメーカーを入れてもらっているので、なんとかつながっている。小児用の抗生剤は全然入ってきていなくて今はカラの状態。他の薬局さんから譲ってもらったものを使っている」 ほかの薬局と分け合ったり、医師と相談して別の薬で代用するなど、厳しいやりくりが続きます。 大橋さん: 「ほぼ毎日あります。患者さんが処方箋をもって来られて、ない抗生剤だったりすると『あ、これないわ』となって、ドクターに電話をかけて『同じタイプの代わりになる薬剤あるんですけど、どうしますか?』と言って、処方箋が変わって患者さんに説明すると。なんとかしてくれと思いますけどね、正直な話」
■専門家「急な増産難しい」「薬価が抑えられていて…」
厚生労働省が発表している医薬品の供給状況では、11月25日現在、すべての受注には対応できていないということです。 限定出荷や供給停止の医薬品は、全体のおよそ2割、あわせて3103品目にのぼっていて、その6割以上がジェネリック医薬品です。2020年以降、ジェネリック医薬品メーカーの不祥事が相次ぎ、生産停止となった影響がまだ残っています。
薬が不足している原因について、医薬品の問題に詳しい神奈川県立保健福祉大学の坂巻弘之さんに聞きました。 ▼薬の製造は細かくスケジュールが綿密に決められていて、需要が増えても急な増産は難しい。 ▼薬の原料は主に海外から輸入していて、円安でコストが上昇しているのに薬の価格は抑えられていて増産意欲につながらない。 薬不足は、感染症が落ち着く春先に少し改善するのではとのことです。