「ママチャリで園の送迎をしていたら…」主婦が50歳で競輪選手に!おおいなる転身の理由が明らかに「漫画のような話ですね」
暑い日も雨の日も毎日、園へ自転車で子どもを送迎する。そんな日常から自転車が好きになり、50歳でプロの競輪選手になった母親がいます。合理的?大胆?高松美代子さんに、当時の思いを伺いました。(全2回中の1回) 【写真】「60歳を過ぎてこの脚!」チャリンコでの送迎で鍛えた高松美代子さんの下半身 など(全17枚)
■次女のときは往復32キロ!ママチャリで子どもを送迎 ── 高松さんはもともと自転車に乗るのがお好きだったのでしょうか? 高松さん:それほど興味を持っていたわけではないんです。運動は好きで、小学生のころから本格的に水泳に取り組んでいました。23歳で結婚後、出身地の大阪から上京し、娘を2人授かりました。自宅から約5キロ離れたところに自然豊かな幼稚園があり、長女を通わせることに。当時は電動自転車がまだなく、電車やバスだと遠回りになるので、ママチャリで送迎しました。行き帰りで2往復するので、毎日約20キロ!次女のときはもっと大変でした。自宅から約8キロ離れている幼稚園に通っていたので、送迎で2往復すると、1日合計32キロも自転車をこいでいたんです。
── 自転車での送迎だけで相当な筋トレになりますね。 高松さん:本当にそう思います。上京してから水泳コーチの仕事を始めました。あるとき、たまたまプールで顔を合わせた男性から、「あなたは向いていると思う」と、いきなりトライアスロンを勧められたんです。たしかに以前から、トライアスロンにはあこがれていて。自転車とマラソンの練習を始め、2000年に37歳で宮古島の大会に出場したところ、とても達成感がありました。
それがきっかけとなり、マラソン、水泳、自転車の大会に出場してみました。すると水泳やマラソンにくらべ、競技人口が少ない自転車の大会ではいい成績が残せました。表彰台にのぼるのが快感だったうえに、優勝賞品もたくさんもらえて家族が喜んでくれて。そこで「自転車一本に絞って、たくさん勝とう」と思うようになったんです。夫も自転車が好きだったから、一緒に走るようになりました。あるとき自転車仲間から「東京から新潟の糸魚川まで300キロ走るレースがあるよ」と言われて、思いきって出場することにしました。