新春一問一答 藤井聡太七冠、AI研究について「未知の局面に対する対応力を高めたい」/将棋
将棋の藤井聡太七冠(22)が新聞各社などの新春合同インタビューに応じた。史上初の全8タイトル独占を達成した2023年から、昨年は叡王戦で敗れて初の失冠。対局では序盤から戦型が多様化する流れが加速する中、自身も新たな戦術に取り組むなど試行錯誤の1年と総括し、25年は「実力不足を改善した先にみえてくる」と8冠返り咲きを狙う。 --2024年のタイトル戦は8冠防衛の立場で対局 「立場による気持ちの変化はないが、24年は内容や結果に波があった」 --24年で手応えを感じた対局は 「(永瀬拓矢九段に勝利した9月の)王座戦第1局。経験の少ない形で挑んだが、バランスを保って指すことができた」 --悔いのある対局 「(渡辺明九段に敗れた7月の)王位戦第2局と(佐々木勇気八段に敗れた)竜王戦第4局。一方的な将棋になった」 --AI研究について 「AIの形勢判断や候補手をうのみにせず、その情報をいかに自分自身に生かすかが問われている。未知の局面に対する対応力を高めたい」 --24年の出来事で興味があったこと 「(社会情勢では)今まで低金利の環境で育ってきたので、今後の経済情勢は気にしてみたい」 --獲得賞金を使った自分へのご褒美は 「特に大きな買い物はしていない」 --能登半島地震から1年 「豪雨被害もあり、大変な思いをされている方がたくさんいる。棋士として直接できることは少ないが、対局を通して楽しみや気持ちの支えを与えられたらうれしい」 ■藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002(平成14)年7月19日生まれ、22歳。愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下で、16年に14歳2カ月でプロ入り。20年に第91期棋聖戦で初タイトル。昨年2月に第73期王将戦で故大山康晴十五世名人を超えるタイトル連続獲得の最多記録となる20期達成。同7月は第95期棋聖戦で自身初の永世称号「永世棋聖」の資格を取得し資格獲得の最年少記録を更新。