『シン・仮面ライダー』庵野秀明、念願だった各話フォーマット版 大河で多忙の柄本佑も追撮参加「3日間だけもらった」
映画『シン・仮面ライダー』(2023)の脚本・監督を務めた庵野秀明が15日、新宿バルト9で行われたBlu-ray & DVD発売記念トークショー付き「各話フォーマット版」上映会に出席。自ら司会進行を務めながら、特典映像の追加撮影にまつわる裏話を明かした。この日は、准監督の尾上克郎とアクション監督の田渕景也も来場した。 【動画】『シン・仮面ライダー』のロケ地確保は「エヴァ」で!? 上映会の様子 石ノ森章太郎原作の「仮面ライダー」生誕50周年プロジェクトの一環として製作された本作。SHOCKERの手によって高い殺傷能力を持つオーグメントと化した本郷猛(池松壮亮)が、組織から脱走し、迫り来る刺客との壮絶な争いに巻き込まれることとなる……。この日特別上映された「各話フォーマット版」は、映画本編を全5話に分割・再編集したもの。新規撮影によって各話エンディングを追加し、テレビ放送フォーマットのように構成したバージョンだ。11月20日発売のBlu-ray初回限定版に、特典映像として収録される。
開口一番、「僕が面倒くさい監督なので、こんな面倒くさい監督に付き合ってくださる方々」とふたりを紹介する庵野監督だが、「でも僕も面倒くさいと言われていますけど、僕より面倒くさい監督は、アニメにはたくさんいるんですよ。たいしたことないと思っているんですけど、実写の方だと面倒くさい方に分類されるようで。本当にアニメは面倒くさい人が多いんですよ」と軽口をたたいてみせて会場を沸かせた。庵野監督とは長い付き合いだという尾上准監督も「慣れりゃたいしたことないです」と意に介していない様子。さらに、田渕アクション監督も「久しぶりに観て感動しちゃって、つらいことはたくさんありましたけど、完成したものを観たら、どうでもよくなっちゃった。またやりたいなと思っちゃいました」と語ると、会場からは拍手が。庵野監督から「どうもすみませんでした」と頭を下げられるひと幕もあった。
さらにアクションについて「『仮面ライダーBLACK』の衝撃はなかなかすごかった。これがテレビでできるのかと思った」と庵野監督。「あとは『科学戦隊ダイナマン』のパイロット版とか、『ビー・バップ・ハイスクール』の(ケンカシーンで走る)電車から川に落ちるやつとか。そういうのを本当は今回もやりたかったけど、無理ですと言われて。80年代はよくやってたんですけどね」と語る庵野監督に、田渕アクション監督も「やりたいんですけど、やらせてくれないんですよね。だぎってる奴はいっぱいいるんですけどね。それが正々堂々とできる場所があれば」と残念そうな表情を見せた。 特典映像となる「各話フォーマット版」の追加撮影について、尾上准監督が「庵野さんが新たにエンディングを撮りたいと言っていると聞いて。まさかやらないだろうと言ってたら。昔撮ったものをつなげてエンディングにするのかなと思ったら、新たに撮るという話になって。昔の映像を探してきて、これと同じ場所を探してくださいと言われたんですが、分かっている制作部は、本当に同じようなところを探さないと、あとでヒドい目に合うのが分かっているので。同じ場所になるように必死になって探してた」と述懐すると、「そこまでは言ってないんだけど、製作部が忖度(そんたく)してくれたんです」と冗談めかした庵野監督。尾上准監督も「やはり庵野組になるとそこは頑張るんだよね」としみじみ語った。